ECB、10月利下げの可能性まだ閉ざしていないー関係者

AI要約

欧州中央銀行(ECB)は、10月の利下げ可能性を排除していないが、完全には決定していない。

ユーロ圏の経済成長に下振れリスクがあるため、連続利下げの選択肢を残すことを考えている。

市場は年内に追加利下げがあると予測しており、12月の利下げが論理的である可能性がある。

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会は、10月17日に予定する次回の政策判断で利下げを決定する可能性は低いものの、その可能性を完全に排除する地点にはまだ至っていない。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

この関係者によると、ユーロ圏の経済成長に対する下振れリスクを踏まえ、政策委員らは10月に連続利下げを行う選択肢をむしろ残しておきたいと考えている。部外秘の協議内容だとして、関係者は匿名で語った。

10月の政策会合までは5週間しかなく、その期間中に発表される新たなインフレ統計は1回しかない。ラガルド総裁は12日の記者会見で、ユーロ圏のインフレ率は9月に低下した後、再び上昇に転じるとの見通しを示していた。ECB政策委員らは実際の経済活動を集計したハードデータではなく、購買担当者指数(PMI)に頼って景気の落ち込みを判断することが必要になる。

短期金融市場で見込まれる10月の利下げ確率は低下。今週初めには40%に上っていたが、総裁会見後には20%程度に後退した。

これでECBは利下げを6月と9月の2回行ったことになるが、市場は年内に少なくともあと1回の追加利下げがあると現時点で織り込んでいる。政策判断の参考材料として四半期ごとにスタッフがまとめる経済予測の活用を政策委員らが好んでいることを考慮すると、行動の時期は12月というのが論理的であるかもしれない。

10月会合の見通しに関する質問に、ラガルド総裁はデータに基づいて決定することにコミットしていると述べ、具体的な見解を示すことを避けた。

ECB報道官はコメントを控えた。

原題:ECB Isn’t Yet Closing the Door to an October Interest-Rate Cut(抜粋)

--取材協力:Constantine Courcoulas.

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