ECBが0.25%追加利下げ、インフレ動向に対応

AI要約

欧州中央銀行(ECB)はインフレと経済成長の鈍化を受け、0.25%の追加利下げを決定した。金融政策の制限の度合いを緩和する措置を講じるが特定の道筋は事前にコミットしない。

インフレ率は依然高い状況だが、労働コスト圧力は緩やかになっている。賃金上昇がインフレに与える影響を利益が部分的に緩和しているとの見方が示された。

ECBのスタッフ予想によると、今年の成長率は若干下方修正されたが、インフレ率が目標に戻るのは来年後半との見通しが出ている。

ECBが0.25%追加利下げ、インフレ動向に対応

Balazs Koranyi Francesco Canepa

[フランクフルト 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は12日、インフレと経済成長の鈍化を受けて0.25%の追加利下げに踏み切った。

6月に続き主要政策金利の中銀預金金利を3.75%から3.50%に引き下げたが、決定は会合ごとに実施し特定の道筋に事前にコミットしないとのガイダンスを維持した。

声明では「インフレ見通し、基調インフレの動向、金融政策の伝達程度に関する最新の評価に基づき、金融政策の制限の度合いを緩和する措置を講じることが適切と理事会は判断した」と述べた。

その上で「理事会は引き続き、データに依存して会合ごとに適切な水準と制約期間を決定する」とし、「特定の金利の道筋を事前に確約することはない」と述べた。

「賃金が依然高いペースで上昇しており域内のインフレ率は依然として高い」と指摘。「だが、労働コスト圧力は緩やかになり、賃金上昇がインフレに与える影響を利益が部分的に緩和している」とした。

ラガルド総裁はこの後記者会見に臨む。

四半期ごとに発表するECBのスタッフ予想によると、今年の成長率は6月の予想を若干下回る一方、インフレ率が目標に戻るのは来年後半と見られている。

預金金利は0.25%ポイント引き下げたが、リファイナンス金利は0.60%ポイント引き下げ3.65%とした。両金利の差は2019年9月以降50ベーシスポイント(bp)に設定されていたが、銀行間融資を促すため3月、今回から金利差を15bpに縮小するとしていた。限界貸出金利も0.60%引き下げられ3.90%とした。