「やる気が続かない人」「結果が出ない人」は、脳内で“3度の発火”を起こせ 脳内科医が解説する「大人脳」の育て方

AI要約

ビジネスパーソンが抱える悩みの根本原因は、脳の準備運動や基礎体力の不足。

脳番地やファイアリングのメカニズムについて解説。

脳活性を高めるためには発火をコントロールすることが重要。

脳の神経細胞やシナプスの働きを通じて脳活動が行われ、脳番地間の連携プレーが行われる。

情報の入力や発火の強さによって脳の活動が変化し、脳がより良い働きをするようになる。

8つの脳番地は目や耳、感情、思考などの情報を処理し、連携プレーで働いている。

活動の結果、脳の働きが向上し、より優れた脳を育てることが可能となる。

「やる気が続かない人」「結果が出ない人」は、脳内で“3度の発火”を起こせ 脳内科医が解説する「大人脳」の育て方

ビジネスパーソンが抱える「やる気が続かない」「結果が出ない」といった悩みの根本原因は、脳の準備運動や基礎体力の不足。

脳内科医・加藤俊徳さんは新刊『一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)にて、脳が情報を処理する際に重要な役割を果たす「脳番地」と、その連携を支える「ファイアリング」というメカニズムについて解説しています。その内容を抜粋してお届けします。

脳内科医、医学博士

加藤俊徳(かとう・としのり)

加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。

昭和大学客員教授。脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニング、脳活性助詞強調音読法を提唱・開発・普及。

1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。

ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。現在、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法(脳相診断)を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。脳の成長段階、強み弱みの脳番地を診断し、薬だけに頼らない脳番地トレーニング処方を行う。

著書に、『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)など多数。

※脳番地(登録5056139/5264859)は株式会社脳の学校の商標登録です。

※本稿は『一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

脳の準備運動はどういうものなのか。

どうすれば脳の基礎体力を上げて、自家発電できるようになるのか。

そもそも、脳番地はどうやって連携を取っているのか。

少し専門的な言葉も交じってしまいますが、わかりやすく解説していきましょう。

あなたが公園のベンチに座ってぼーっと息抜きしているときも、脳の中ではいくつかの脳番地が働いていて、毎秒1~5回の電気信号が送り出されています。

公園で、ふと桜が咲き始めていることに気づき、「あっ」と笑顔がこぼれた瞬間、電気信号は毎秒50~100回程度にまで増えます。

さらに、その公園に何年も会っていない親友が偶然現れでもしたら、脳は興奮状態となって毎秒500回以上の電気信号が送り出されることでしょう。

この電気信号が活発になった状態を、脳科学では「発火」と呼びます。

もっとすごい脳を手に入れるためには、この発火をコントロールすることがめちゃくちゃ重要です。

脳には1千億個を超える神経細胞(ニューロン)があり、ニューロン同士は髄鞘に包まれた軸索という紐のようなもので繋がっていて、その繋ぎ目には数千~数万個のシナプスがあります。

脳が活動しているとき、シナプスにはひっきりなしに電気信号が送られてきて、一定量を超える電気信号が溜まると発火が起こり、その情報が軸索の束でつくられる白質へと送られて別のニューロンへと情報が送られます。

このような流れで脳番地の細胞は情報を共有し、連携プレーを行っています。

入力される情報にインパクトがあればあるほど強い発火が起こります。

その情報は脳内で伝播されていき、脳の活動は活発になります。

その結果、脳の働きもよくなって、もっとすごい脳になれるというわけです。

8つの脳番地は、たいていの場合、目や耳、皮膚感覚から得た情報がインプットされたところから活動が始まり、感情が動き、理解して、思考し、結論を出し、アウトプットする、といったように連携プレーで働いているのです。