「3~4割ほど価格上昇」待望の新米流通も 大幅値上げ、「概算金」上昇 背景に円安・集荷競争【Nスタ解説】
新米の季節が到来し、お米の品薄状態が解消しつつあるものの、今年のお米は例年に比べて高騰している状況が報告されています。
価格の上昇は主に需要の回復や収穫量の増加など、さまざまな要因によるもので、概算金も上昇していることが指摘されています。
消費者にとっては高騰した価格のお米を買わざるを得ない状況にあり、今後も価格が安定する見込みは薄いという声も寄せられています。
スーパーなどでお米の品薄状態が続く中、待ちに待った「新米」が流通し始めました。
ところが、今年のお米、例年になく 高騰しているようなんです。
■9月20日ごろから“品薄状態”は解消か 昨年比+1000円の店舗増える
良原安美キャスター:
新米の季節がやってきました。
今年の新米について、日本米穀商連合会の相川英一専務は、猛暑や台風など天候の影響は少なく、順調に流通し始めているといいます。
さらに9月20日ごろからは、新潟や秋田などの新米が全国に流通し始める。今の品薄状態は解消していくのではないかということでした。
しかし、新たな心配事が出てきました。
きょう(9月3日)、番組スタッフが都内で買ってきた佐賀県産コシヒカリ(5kg)は3700円でした。去年は2925円と、800円近く値上がりしていることになります。
相川専務によると、1000円から1200円ほど値上がりしている店舗が多いということです。
井上貴博キャスター:
去年の価格と比べると結構上がっていることが多いですが、去年(2023年)はまだコロナ禍で需要が減って、値段が下がっていた。ある程度コロナ禍前を考えると、戻った銘柄もあれば、少し上がっているメーカーもある。その辺りをどう見るかですね。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
先日、茨城に行ったときにお米を買ってきたという話をしましたが、そのとき一緒に行っていた女性の方とも「高いですよね」という話になりました。でも買わないとしょうがないので、やむを得ず買いましたけど、値段は上がっているなと実感はすごくあります。
ホラン千秋キャスター:
猛暑や台風など天候の影響はないけれども、「高いまま推移しそう」ということには理由があるわけですよね。
■「1俵(60kg)あたり3000円上乗せ」 値上がりする概算金=価格の基準
良原キャスター:
なぜ高騰しているのか、終わりはいつやってくるのか、まずはコメの主な流通経路から見ていきます。
生産者から、各地域のJAなど集荷業者を経て、御売業者、小売業者なども経て、消費者の元に届きます。
その際に、集荷業者が出荷の際に、手数料などを差し引いた前払い金を支払っています。これを「概算金」といい、消費者が買う際の価格の基準になっています。
そして、概算金が値上がりしているというわけなんです。