バスの自動運転実現はまだ遠いってマジ? ~「人とくるまのテクノロジー展2024 NAGOYA」より~

AI要約

自動車の最新技術を紹介した「人とくるまのテクノロジー展2024 NAGOYA」の取材レポート。

展示会で注目された日野の電気自動車「HINO N-MOBI」の特徴や可能性について。

小型ノンステップBEVバスの革新的な設計と機能に関する詳細。

バスの自動運転実現はまだ遠いってマジ? ~「人とくるまのテクノロジー展2024 NAGOYA」より~

 自動車における技術は日々進歩し、とりわけ近年では内燃機関からハイブリッド、電気車や燃料電池車等の石油に頼らない技術が実用化されている。今回はより技術に特化した「人とくるまのテクノロジー展2024 NAGOYA」を取材したのでレポートする。

 文/写真:東出真

編集:古川智規(バスマガジン編集部)

(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

 名古屋駅を出発したバスは名古屋高速、そして知多半島道路へと進んでセントレアラインに入った。知多半島にある常滑市と空港島を結ぶのがセントレアラインで、遠くに見える管制塔が空港に来たという気分にさせてくれる。空港島に渡るとバスは空港横で停車した。

 到着したのは空港島にある愛知県国際展示場である。ここで開催される「人とくるまのテクノロジー展2024 NAGOYA」にやってきた。このイベントのコンセプトは、日本をはじめとする多くの国・地域が2050年カーボンニュートラルを目指した取り組みを加速させる中、さらに未来の「循環」型社会システムへの変革を実現するために「人と地球を幸せにする技術とはなにか」を問い、新たなバリューチェーンを仲間と共に築きあげていくため「くるま」に携わる全ての皆さまの英知を集結する「場」として開催されたものだ。

 5月には横浜で、そして7月には名古屋で開催された。名古屋会場では3日間の会期中に約3万人の来場があり、企業・団体発表の展示や自動車技術会の企画展示など好評であった。なお来場者のためのシャトルバスが名古屋駅と愛知県国際展示場を約1時間ほどで無料で結んだ。

 事前の登録は済ませているので受付をして早速会場内を見て回った。今回は自動車メーカーから部品、素材に関するメーカーや道具や計測機器のメーカーなど392社が参加する展示会となっており、どれも注目したい展示だが、まずはバスを製造しているいすゞや日野のブースを巡ってみた。開場後から多くの来場者で賑わっていたが、車両の展示はトラックで、さすがにバスを持ち込んでという展示ではなかったようだ。

 隣のホールでは新技術搭載車両展示というコーナーがあったので回ってみた。乗用車やバイクなどが展示されていたが、日野のエリアでは少し変わった車両が展示されていた。日野デュトロのZ EVという電気自動車で、これはBEV専用シャシにより実現した超低床構造で、荷役作業性や乗降性に優れ、ドライバーの負担軽減に貢献、ラストワンマイル配送の現場での使い勝手とゼロエミッションを両立した小型BEVトラックという説明があった。

 そしてこの車両は九州日野自動車、西鉄車体技術が改造し製作した小型ノンステップBEVバス「HINO N-MOBI」としての展示だった。資料によると全長は4695mm、全幅1695mm、全高2525mmで、通常の小型トラックのサイズでありながらバス車内は1800mm弱の大きさを確保できており、立席スペースの2名分を含めて10人が乗車できる。

 今回は車両を置いた状態での展示なので、動いてみるとどうなるのかは分からなかったが電気自動車なので、高い静粛性に室内はフルフラットで移動もしやすく、これがトラックの後部とは思えないほどである。またバスとしての機能も搭載可能でICカードの読み取り機器や運賃箱、降車の表示器や座席の押しボタンも設置されていた。

 扉前の座席は跳ね上げ式となっていて、そのスペースに車椅子の乗車が可能になっている。まだ車内のインテリアとしてはシンプルであったが、これは事業者の要求に従い様々なバリエーションが作られることだろう。狙いとしては従来の小型コミュニティバスよりコンパクトなので、地方の狭い路線や交通空白地帯への少人数輸送が考えられる。