創業100年を超える老舗の大手百貨店、中三(青森)が破産

AI要約

(株)中三は、老舗の百貨店を運営していたが、経営不振により破産手続き開始決定を受けた。

また、以前は投資ファンドの下で再生手続きを行っていたが、地域人口減少や収益不振により再び破綻した。

最終的に負債は約9億円となり、事業の継続を断念した。

 (株)中三(TDB企業コード:120032283、資本金5000万円、青森県弘前市土手町49-1、代表松林由縁氏)は、8月29日に青森地裁弘前支部より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人には、山内賢二弁護士(ほくと法律事務所、青森県弘前市親方町36、電話0172-31-6077)が選任されている。債権届け出期間は10月10日までで、財産状況報告集会期日は12月3日午後3時。

 当社は、1896年(明治29年)創業、1950年(昭和25年)8月に法人改組された地元老舗の百貨店の運営業者。当初は、五所川原市に本店を置いて営業をスタートし、62年に弘前店、74年に青森店を開設。81年には青森市へ本店を移転するほか、二戸店(83年に閉店)と盛岡店を開設して拡大路線を敷き、ピークとなる2005年8月期には年売上高約310億6200万円を計上していたが、その後は消費低迷により売り上げの減少が続いていた。事業改善計画を進めていたものの、2010年8月期の年売上高は約185億5400万円にとどまり、2011年3月には盛岡店にてガス爆発事故が起きるなど、不測の事態もあって支えきれず、民事再生法の適用を申請していた。

 2015年2月には投資ファンドの下で民事再生手続きが終結。MiK(株)(TDB企業コード:120200502、青森市)傘下にて本格再建を目指し、同社は取締役を派遣し、店舗の土地などを活かした再開発なども主導していた。

 しかし、地域人口が減少するなか、本業の収益は改善せず、近年は連続欠損を余儀なくされていた。2023年8月期の年売上高は約17億円に減少し、2億円を超える経常損失を計上。2024年4月には中核テナントであった大型書店が閉店し、売り上げの落ち込みに歯止めがかからず、事業の継続を断念した。

 負債は約9億円。