〔NY外為〕円、144円台前半(23日)

AI要約

ニューヨーク外国為替市場では、パウエルFRB議長の発言を受けて円が急上昇し、ドルは安くなった。パウエル議長は金融緩和の必要性を強調し、9月の利下げを示唆した。

米長期金利の低下やシカゴFRB総裁の金融政策に関するコメントも円高・ドル安の流れを後押しした。

この流れにより、円相場は1ドル=144円台前半に上昇し、ユーロも対ドル・対円で下落した。

 【ニューヨーク時事】週末23日のニューヨーク外国為替市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が9月の利下げ開始を示唆したことをきっかけに円買い・ドル売りが加速し、円相場は1ドル=144円台前半に上昇した。午後5時現在は144円35~45銭と、前日同時刻(146円26~36銭)比1円91銭の大幅な円高・ドル安。

 パウエルFRB議長は23日、西部ワイオミング州で開かれている年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、インフレと労働市場の鈍化を考慮して、金融緩和へ政策を転換する「時機が到来した」と明言した。今週FRBが発表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30~31日開催分)に続き、9月会合での利下げ観測を強める内容となったことで、米長期金利が急低下。日米金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが一気に強まり、円相場は一時144円05銭まで上昇した。

 シカゴ連邦準備銀行のグールズビー総裁がこの日午後、CNBCテレビのインタビューで、現行の金融政策は引き締めすぎだとの認識を示唆したことも、円買いを支援したもよう。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1187~1197ドル(前日午後5時は1.1107~1117ドル)、対円では同161円52~62銭(同162円49~59銭)と、97銭の円高・ユーロ安。