米社債スプレッド縮小進む 景気後退懸念和らぎ利下げ期待も

AI要約

米債券市場では社債スプレッドが縮小しており、経済指標の堅調さやFRBの利下げ期待が影響している。

景気後退への不安が広がった時期もあったが、その後はスプレッドが縮小傾向に転じている。

現在はインフレなしの成長や利下げ開始の可能性が高まっており、市場では金利上昇の可能性が低いとの見方が広がっている。

米社債スプレッド縮小進む 景気後退懸念和らぎ利下げ期待も

Matt Tracy

[15日 ロイター] - 米債券市場で社債スプレッド(国債との利回り格差)の縮小が進んでいる。直近の経済指標が堅調で景気後退懸念が和らいだ一方、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待は高まっているためだ。

投資適格債とジャンク債のスプレッドは今月初め、雇用統計が予想外に低調だったことなどから景気の急激な下振れへの不安が広がり、大幅に拡大していた。

しかしその後は縮小傾向に転じ、14日はICE・BofA米社債指数によると、投資適格債スプレッドが3ベーシスポイント(bp)低下の105bp、ICE・BofA高利回り債指数によるとやはり3bp低下の346bpとなった。

JPモルガンのストラテジスト、ネルソン・ジャンツェン氏は「社債スプレッド縮小の主な原動力は、今週になってインフレなしの成長という『適温経済』の話が出回ったことだ」と指摘した。

物価が落ち着いてきたこともあり、FRBは早ければ9月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを開始すると予想されている。

USバンクの債券セールス・トレーディング責任者を務めるブレア・シュウェド氏は「最近のデータは次のFOMCで金融政策がより緩和的になる公算が大きいとの安心感を市場にもたらした。投資家は大幅な金利上昇の可能性が遠のいたとの自信を深めている」と述べた。