晴海フラッグの「闇すぎる」現状、増える外国人観光客が絡む「完全アウト」の用途とは

AI要約

晴海フラッグは、選手村跡地から生まれた人気の分譲マンションである。

物件取得時に疑惑が持たれたり、遅延問題や高倍率での販売など様々な話題があった。

最近では違法行為が疑われ、外国人観光客の増加と関連付けられている。

晴海フラッグの「闇すぎる」現状、増える外国人観光客が絡む「完全アウト」の用途とは

 東京五輪の選手村跡地であり、現在は分譲マンションとして人気を博す「晴海フラッグ」。ここ最近、同マンションを巡ってある「違法行為」が行われている可能性が囁かれており、それに伴ってマンション付近で謎の「キーボックス」が出現することも話題を呼んでいる。これらの出来事は、インバウンドで増加する外国人観光客と根深い関係にあると見られているが、一体何が起きているのだろうか。不動産ジャーナリストの榊淳司氏が、晴海フラッグをめぐる異変について解説する。

 晴海フラッグは、これまでさまざまな面で注目されてきた。

 そもそも用地自体の取得時点から、東京都が三井不動産などに対して「相場の9割引き」で土地を払い下げたのでは、という疑惑が取り沙汰された物件だ。この問題はその後「都の資産を不当に安く払い下げたことで都民に損害を与えた」という訴えが起こされたが、原告側の敗訴がほぼ確定している。

 その後、コロナ禍により東京五輪が1年延期。選手村として使われた後に改装され、分譲マンションとして購入者へ引き渡されるのも自動的に1年延期されることになった。これに対して「もっと早く引き渡してほしい。できないなら遅延に対する補償」を求める裁判も行われ、昨年8月には原告の訴えを却下した東京地裁の判決が、東京高裁によって差し戻された。

 一方、2019年に販売が始まった分譲マンションとしての晴海フラッグは、五輪の開催延期などで多少の紆余曲折はあったものの、毎回高倍率でほぼ完売状態の人気物件だ。中には200倍を超える高倍率住戸もあり、メディアでも話題になった。

 高倍率になった理由は、転売目的の投資家たちが1人で何口もの申込を入れたせいでもあった。中には累計何百口も申し込んだが1戸も当たらなかった、というケースもあったらしい。

 このため、販売を重ねるごとに申し込みのルールを変えるなど、販売現場の混乱ははた目にも異様に見えた。

 この問題は2023年からNHKがたびたび取り上げており、特に今年5月に放送された「元選手村「晴海フラッグ」は誰が買った?1089戸を徹底調査~そこから見えたものは」という番組は話題を呼んだ。

 番組では、登記簿で見る限り、1/4が法人名義で、中には明確に不動産投資を目的とする会社もあり、複数戸数を所有しているケースもあった。その後、3割以上の住戸には住民票の転入がないことも判明。夜になっても明かりがついている住戸が少ないことや、敷地内で営業する飲食店の利用者が少ない様子なども明らかになった。