カレー1食分の調理費用、6月は329円 過去10年の最高値を更新 品薄のコメ価格急騰も影響

AI要約

カレーライスの調理費用が高騰しており、2024年6月には1食当たりのトータルコストが329円に達した。

原材料や光熱費の値上がりやコメ価格の急上昇がカレーライス物価の上昇に影響している。

カレーライス物価は13カ月連続でプラス成長し、2020年平均を100とした物価指数は120.0に達している。

カレー1食分の調理費用、6月は329円 過去10年の最高値を更新 品薄のコメ価格急騰も影響

 家庭の食卓で人気のメニュー「カレーライス」の調理費用が高騰を続けている。カレーの調理に必要な原材料や光熱費等の価格(全国平均)を基に算出した、カレーライス1食当たりのトータルコストを示す「カレーライス物価」は、2024年6月に329円となった。2023年8月以降11カ月連続で300円台となったほか、単月では2015年以降で最高値を更新した。

 1年前の2023年6月(299円)からも30円・10.0%値上がりし、安価で手軽に調理できるカレーライスのコスト負担増が続いている。肉や野菜の値上がりに加え、近年価格が安定していたコメ価格の急上昇が、カレーライス物価の上昇に大きな影響を及ぼした。

 帝国データバンクは、生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算した。カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約6割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で、前年同月から20円増の203円だった。円安の影響で輸入牛肉の価格が上昇したことに加え、野菜類も前年同月からキロあたり各100円超の値上がりとなったことが影響した。

 また、「ごはん(ライス)」の価格も急上昇しており、1食当たり97円と前年同月(89円)から8円増加した。品不足の懸念から販売価格の上昇が続いており、カレーライス物価を押し上げる要因となった。「カレールー」(24円→25円)、炊飯器での炊飯やガス調理など「水道光熱費」(4円、変化なし)では、前年同月から大幅な変化はなかった。

 カレーライス物価を基に、2020年平均を100とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、2024年6月の指数は120.0、前年同月比では9.8%上昇し、13カ月連続のプラスとなった。調理費用はコロナ禍以降で約2割上昇するなど、物価上昇の影響を強く受けている。

 東京都区部の物価動向を基に予想した7月のカレーライス物価は、6人分調理では初の2千円超えとなり、1人当たり費用で340円前後と大幅に上昇する可能性がある。

 農林水産省が7月末に発表した8月分の野菜価格動向については、ジャガイモ(バレイショ)とニンジン、タマネギともに「平年並みで推移」とされ、8月の同指数は6・7月の水準に比べると値下がりの期待感も出てきた。ただ、品不足が続くコメや輸入牛肉の価格は当面の間「上昇局面」が予想され、カレーライス物価は7月をピークとしながら今夏中は高値圏での推移が見込まれる。