銀行が「出戻り社員」争奪戦。SBIネット銀のアルムナイ会に、メガバンク若手が上司の“指令”受け参加

AI要約

銀行業界がアルムナイ(退職者)の再雇用に力を入れており、交流サイトやカムバック採用に取り組んでいる。

住信SBIネット銀行が対面での交流会を開いて、新オフィスのお披露目会を実施し、業界の特性をアピールしている。

銀行の離職率や平均在職期間について、会社の方針や取り組みに関する話が行われている。

銀行が「出戻り社員」争奪戦。SBIネット銀のアルムナイ会に、メガバンク若手が上司の“指令”受け参加

アルムナイ(退職者)の再雇用に各社が力を入れている。中でも盛り上がるのが、銀行だ。退職者を冷ややかな目で見ていたのは、もう昔の話。メガバンクから地銀、日銀までがアルムナイ専用の交流サイトを立ち上げ、カムバック採用に向けて猛アピールする。

ネット銀行も動き出した。8月5日に初めて対面での交流会を開いたのが、住信SBIネット銀行だ。今春に移転した新オフィスのお披露目会と称し、業界の特性上、普段はセキュリティの厳しい執務室から役員室まで案内。現役社員も参加した懇親会では、ビールを片手に思い出話に花を咲かせた。

「新しい香りしない?」「椅子もあんなにボロボロだったのに」「すごいね」

約30人のアルムナイたちが、六本木グランドタワー(東京・港区)のオフィスを歩きながら、驚きの声を上げ、しきりにスマホで写真を撮る。

オフィスツアーの案内役を務める総務部長の千田康匡さんも、「オフィス家具に昔懐かしい物は一つもありません。全て新調しました」と誇らしげだ。

執務室のテーブルの間隔は以前より広々と取られ、目の前に明治神宮外苑をのぞむ会議室は、花火大会当日は開放することなどが伝えられた。

参加者の中には「前のオフィスは本当に汚くて、カーペットの染みもずっと残っていたのに」と苦笑する人も。

「良いオフィスになったし、みんなに見てもらいたくて」とイベントの開催趣旨を話す人事部長の酒井剛士さんは、最新の決算内容や中期事業目標への見通し、AIの活用など会社の成長をアピールし、参加者を前に「目的を共にする同士が集まった、チームのような会社にしたい」と呼びかけた。

「住信SBIネット銀行の離職率は約10%。大企業さんだと約3~4%なので、皆さんがこの数字を高いと感じるか低いと感じるかは分からないですが、これ以上下がらなくてもいいと思っています。

定年まで勤め上げる会社にしたいわけじゃない。

平均在職期間も5年いかないくらいですが、出入り自由な会社にしていきたいと思っています」(酒井さん)