〔東京外為〕ドル、一時155円台前半=実需買いで大幅上昇(30日午後5時)

AI要約

30日の東京外国為替市場では、ドルの対円相場が大幅に上昇し、155円前半まで達しました。国内輸入企業の買いが膨らんだことや実需の増加が要因とされています。

午前は、米長期金利の向上や五・十日に伴う輸入企業の買いなどにより、154円20銭台に上昇しましたが、その後やや軟化しました。午後は日経平均株価の影響もあり、一時155円20銭台に水準を上げました。

日銀の金融政策決定会合やFOMCを控えて上値追いに慎重な市場状況であり、海外勢のドル買い・円売りフローがみられました。明日の日銀金融政策発表を控え、利上げの可能性や政策金利の動向が注目されています。

 30日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、国内輸入企業など実需の買いが膨らみ、一時1ドル=155円台前半に大幅上昇した。午後5時現在は、154円89~90銭と前日(午後5時、153円60~61銭)比1円29銭のドル高・円安。

 午前は、五・十日に伴う国内輸入企業の買いのほか、時間外取引での米長期金利の持ち直しを受けて、154円20銭台に上昇。その後は、実需の買いが一巡し、154円前後に軟化した。

 午後は、日経平均株価の切り返しなどでじり高となり、155円20銭台へ水準を切り上げたが、日銀の金融政策決定会合やFOMCを控えて上値追いには慎重となり、154円70~90銭へ押し戻された。

 前日の米国市場では、特段の材料が見当たらない中、ポジション調整のドル買い・円売りが優勢となり、154円近辺へ水準を切り上げた。

 東京市場は、五・十日に伴う国内輸入企業の買いのほか、「月末による海外勢のドル買い・円売りフローがみられた」(外為仲介業者)といい、朝方の安値から1円以上、値を上げた。日銀の金融政策発表を控える中、「利上げ見送りを意識した円売りが出ている」(国内銀行)との指摘もあった。

 あすの正午ごろ、日銀の金融政策が発表される。国債買い入れの減額幅などが決定される。焦点は追加利上げに踏み切るかどうか。市場では海外勢が利上げを織り込む一方、国内勢は政策金利を据え置くとの見方が多い。政策金利が据え置かれれば、「海外勢がドル円を買い戻す可能性がある」(FX会社)とみられる。ユーロは対円で上昇、対ドルは下落。午後5時現在は1ユーロ=167円54~57銭(前日午後5時、166円57~59銭)、対ドルで1.0818~0819ドル(同1.0843~0844ドル)。