2024年10月から「パートでも週20時間勤務」で社会保険適用、拡大へ【年収の壁】を解説
2024年10月から、社会保険対象者の拡大が予定されています。
さらに今後、短時間労働者が厚生年金に加入する際の企業規模要件を撤廃する方向性にて調整するとのこと。
2024年7月1日に開催された「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」に関して、厚生労働省が公表した取りまとめ案によると、経過措置である企業規模に関しては撤廃の方向で検討する必要性があるとの見方が大勢を占めたといいます。
現在は、勤務している企業の規模によって「106万円の壁」が存在します。
今後「106万円の壁」が撤廃されることになれば、一定の要件を満たす短時間労働者が社会保険に加入することになるでしょう。
こちらの記事では、年収の壁の種類や社会保険に加入するメリットを解説します。
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「年収の壁」とは、労働者の手取り収入に影響を与える年収を差します。
年収の壁には税金面の壁と社会保険面での壁があるため、まずはどのような壁があるのか整理しましょう。
●税金面での「年収の壁」は100万円・103万円・150万円・201万円の4種類
税金面での年収の壁は、以下の4種類です。
・100万円:住民税が発生する
・103万円:所得税が発生する
・150万円:配偶者特別控除額が減り始める(配偶者の税負担が増える)
・201万円:配偶者特別控除額がなくなる(配偶者の税負担が増える)
100万円の壁と103万円の壁は労働者本人の手取り収入に影響し、150万円の壁と201万円の壁は配偶者の手取り収入に影響します。
次の章では「社会保険面」での年収の壁についてみていきましょう。
●社会保険面での「年収の壁」は106万円・130万円の2種類
社会保険面での年収の壁は、以下の2種類です。
・106万円
・130万円
106万円の壁とは、従業員数が101名以上の勤務先に勤めている方に影響する壁です。
従業員数が101名以上の勤務先に勤め、以下の要件に該当すると社会保険に加入します。
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8万8000円以上(年間約106万円)
・2ヶ月を超える勤務の見込みがある
・学生ではない
なお、2024年10月からは従業員数の規模要件が「101名以上」から「51名以上」に変わります。
つまり、現在は社会保険の適用外である短時間労働者でも、2024年10月以降は対象となる可能性があります。
130万円の壁とは、社会保険で家族の扶養に入れるかどうかの壁です。
年収が130万円以上の場合は扶養に入れず、自分で国民健康保険または勤務先の健康保険に加入しなければなりません。
それでは、社会保険に加入することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。次の章で詳しく解説していきます。