60歳の自営業です。病気で働けなかった5年間、年金保険料を支払っていませんでしたが、年金受給額はどのくらいになりそうでしょうか?

AI要約

将来、年金を受け取る不安を感じる自営業者に向けて、国民年金保険料未払い期間の老齢基礎年金受給額への影響と追納の重要性について解説。

国民年金保険料未払い5年間の場合、老齢基礎年金の受給額は87.5%に減額されることを具体的に説明。

追納制度の概要と過去10年以内の保険料に限定されている点、追納申込書の提出や手続きについて詳細。

60歳の自営業です。病気で働けなかった5年間、年金保険料を支払っていませんでしたが、年金受給額はどのくらいになりそうでしょうか?

将来、年金をどれくらい受け取れるのか、不安になる方もいらっしゃるでしょう。特に自営業の方は、一般には国民年金にのみ加入し、受け取れる年金も老齢基礎年金のみとなるため、不安に思う方も多いのではないでしょうか。

例えば、病気で働けず、5年間年金保険料を支払っていないという方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、国民年金保険料を支払っていない期間の老齢基礎年金の受給額への影響と、その対応策について解説します。自営業の方、これから独立をお考えの方の参考になるかと思われますので、ぜひ最後までお読みください。

令和6年4月分からの老齢基礎年金の受給額は、図表1の計算式によって求められます。

図表1

出典:日本年金機構 「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」

図表1の式は、「81万6000円」の部分が老齢基礎年金の満額を表し、分数で表されている部分が受け取れる割合を表しています。例えば、保険料を40年間(480月)全て納付すれば、受け取れる割合が「1(100%)」となり、81万6000円を受け取れるということになります。

5年間国民年金保険料を支払っていない(免除や納付猶予に該当しない)のであれば、老齢基礎年金の受給額は以下のように計算されます。

81万6000円×[(40年-5年)×12月]/(40年×12月)= 81万6000円× 87.5%

                           = 71万4000円

老齢基礎年金の満額(81万6000円の部分)は毎年変わる可能性がありますが、受け取れる割合については追納をしないかぎり変わることはありません。つまり、国民年金保険料を5年間支払っていない場合、老齢基礎年金の受給額は満額の87.5%にとどまる(12.5%減)ということです。

国民年金保険料の納付については、追納制度があります。追納とは、支払わなかった年金保険料を後から納付することで、それにより老齢基礎年金額を増やすことができます。

ただし、追納ができるのは過去10年以内の保険料に限られています。期限を過ぎてしまうと、追納によって老齢基礎年金額を増やすことはできなくなりますので、追納申込書は早めに提出したほうがよいでしょう。

追納の申し込みは、年金事務所で行います。厚生労働大臣の承認を受けたうえで、納付書を受け取ることができます。保険料の追納は、基本的にはこの納付書で行いますが、追納の申し込みが承認された期間の保険料は、納付書がなくても「ねんきんネット」を活用して納付することができます。

申請者本人が窓口で追納申込書を提出する場合、マイナンバーカード(個人番号カード)を提示する必要があります。マイナンバーカードをお持ちでない場合は、以下の書類を両方とも提示する必要があります。

・マイナンバーが確認できる書類:通知カード(氏名、住所等が住民票の記載と一致する場合に限る)、個人番号の表示がある住民票の写し

・身元(実存)確認書類:運転免許証、パスポート、在留カードなど

なお、郵送で申請書を提出する場合は、これらの書類のコピーを添付して郵送します。