財務省財務官 神田真人さん「為替は森羅万象が作用」「謙虚に市場と対話」  My Vision

AI要約

財務省の神田真人財務官が円安局面に懸念を示し、G20会議への貢献を誓う。

日本の独特な立ち位置や財務官としての仕事、過度な為替の変動を防ぐ取り組み。

財務官としての業務や世界経済の変化に対する日本の役割、新たな課題への対応について。

財務省財務官 神田真人さん「為替は森羅万象が作用」「謙虚に市場と対話」  My Vision

財務省の神田真人財務官が19日までに産経新聞の単独インタビューに応じ、歴史的な円安局面について「輸入物価上昇を通じて国民生活や事業活動の負担増といったマイナス面の影響にとりわけ懸念を持っている」と語った。神田氏は7月末で退任予定。25日開幕の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に関して、最後の大仕事への貢献を誓った。主なやり取りは次の通り。(米沢文)

■日本の独特な立ち位置、途上国は期待

--G20会議で、日本として特に重視するテーマは

「新興国の債務問題や国際開発金融機関(MDBs)改革、国際課税改革、国際保健などは日本が主導してきた。いい成果に向けて積極的に議論に貢献していきたい」

--世界経済が急速に変容する中で、日本が世界から求められる役割とは

「世界経済の分断が進む一方、世界規模で協調した取り組みが求められる機会が増えた。欧米とは違うアジアの民主主義国で、開かれた自由経済を守っている点など、日本のユニークな立ち位置に途上国や新興国は期待している。日本もエネルギーや食料を輸入に頼っており、国益の観点からも国際秩序の維持・再構築に貢献する必要がある」

--財務官として、特に印象深かった仕事は

「延べ60カ国以上を訪問し、各国要人と率直に議論してきた。新型コロナウイルス禍、ロシアによるウクライナ侵略という激動の国際情勢の中で、よりよい日本、世界を構築すべく、微力を尽くしてきた。昨年は先進7カ国(G7)と東南アジア諸国連合(ASEAN)に日中韓の3カ国を交えた『ASEANプラス3』の両方で議長国を務め具体的な成果も上げた」

■投機による過度な変動許さず

--財務官という仕事をひと言で説明すると

「かつては金融市場の安定や金融危機、債務問題への対応が中心だった。今もそれは重要な仕事だが、たとえば、ロシア制裁・ウクライナ支援から、気候変動や感染症対策、デジタル化に対応した国際課税改革まで新たな課題にも対処している。仕事の領域が広がり、議論のプロセスも複雑化している」

--令和4年秋と今年春に為替介入を実施した