為替介入めぐり投機筋vs政府・日銀 セオリー反する奇襲作戦か…介入もモグラたたき?

AI要約

日本政府が急速な円高を防ぐために為替介入を行ったが、投機筋は円安を狙っている状況。

過去の介入と異なり、今回の介入は円高の段階で行われたことに注目。

投機筋は円安が続くと見ており、政府の介入をあるゲームに例えている。

為替介入めぐり投機筋vs政府・日銀 セオリー反する奇襲作戦か…介入もモグラたたき?

日本政府による介入とみられる動きで、急速に円高が進んだ円相場。その一方で、投機筋は再び円安の波に乗るチャンスを虎視眈々と狙っているようです。

今月初め、1ドル=162円目前まで迫った円相場。しかし、11日に1ドル=157円台まで一気に円高が進みました。政府・日銀による為替介入があったとみられています。

財務省 神田財務官

「私からは何もコメントいたしません」

「(Q.神田さんの作戦通りに進んでいる?)別に作戦なんていうのもあるわけではなくて、日々一生懸命、仕事をしているだけなんです」

実は、先週の介入とみられる動きにはこれまでと“大きく異なる点”がありました。

2年前から続く日本の為替介入は、相場が円安に加速した局面で行われました。しかし先週は、それとは逆に相場が円高に動き始めた時に、それを後押しするかのようなタイミングで実施されたとみられるのです。

神田財務官の脳裏には、これまで円安でもうけてきた投機筋に“ひと泡吹かせる”狙いがあった可能性があります。

神田財務官

「客観的な様々なデータを見ても、(円安になる)相当の部分、投機によるものだと考えても不思議ではございません。それで国民の生活が脅かされるとしたら、問題であるという認識を申し上げているわけです」

かつてイギリスでは、ヘッジファンドが通貨ポンドに売り浴びせを仕掛け、中央銀行が必死の介入で対応しましたが、最後は投機筋が勝利し、「ポンド危機」へとつながりました。

今回、投資家らの意表を付く形で円高への流れをつくった日本政府。このまま投機筋は大人しくなるのでしょうか?

エコノミスト 豊島逸夫氏

「米国の投機筋から見れば、高笑いしてますよ。『やったぜ』と」

海外のヘッジファンドと親交がある、エコノミストの豊島逸夫氏。先週の為替介入とみられる円高について、円安にかけている海外の投資家たちは、こう話していたといいます。

豊島氏

「彼ら(投機筋)と話していると『まだまだいける』と。日本では介入というと市場関係者は恐れるんだけれど、ニューヨークの投機筋に関しては“介入歓迎”なんです。さらにもうけられる機会と捉えて、『サンキュー、ミスター神田』ということになるわけです」

豊島氏は、政府・日銀の介入を“あるゲーム”に例えて、こう指摘します。

豊島氏

「日本の為替介入は“もぐらたたき”みたいなもの。投機筋を何人かたたいても、すぐに別の所から別の投機筋が出てくる。彼ら(投機筋)は164から165円ぐらいまでは円安が継続するとみています」

(「グッド!モーニング」2024年7月16日放送分より)