ASMLの中国売上高、大幅増加-今後の米規制強化のリスク浮き彫り

AI要約

オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングは、中国向け売上高が急増し、全体の売上高の半分以上を占めた。

米国は中国に対する半導体規制を強化する可能性があり、ASMLが今後直面するリスクが大きいことが浮き彫りになった。

ASMLの中国向け売上高の増加は、米国とオランダ政府の外交的緊張を高める要因となる可能性がある。

ASMLの中国売上高、大幅増加-今後の米規制強化のリスク浮き彫り

(ブルームバーグ): オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの4-6月(第2四半期)の中国向け売上高は大幅に増加し、同社全体の売上高のほぼ半分を占めた。これまでの対中輸出規制の影響が限定的であることが明らかになった。バイデン米政権は規制の強化を検討している。

今回の決算は、ASMLが今後直面するリスクの大きさを浮き彫りにしている。米国は、企業が先端半導体技術へのアクセスを中国に提供し続ける場合、利用可能な最も厳しい貿易制限措置の利用を検討していると同盟国に伝えている。米政権はASMLなどの企業に対して外国直接産品ルール(FDPR)という措置の活用を検討していると、ブルームバーグ・ニュースが17日報じた。

ASMLの対中輸出増加は、米国とオランダ政府の外交的緊張を高める恐れがある。同社は最先端半導体の製造に必要な装置の世界唯一のメーカーで、時価総額で欧州最大のテクノロジー企業だ。

ASMLの中国向け輸出を標的とした従来の米主導の半導体規制は、中国の需要に打撃を与えていない。中国は4四半期連続で同社最大の市場であり、4-6月期の同国での売上高は前期比21%増の23億ユーロ(約3920億円)だった。

中国政府は成熟世代の半導体の製造を推進しており、ASMLの中国向け売上高は、規制の対象外である旧型の装置で構成されている。

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原題:ASML’s China Sales Surge Highlights Risk of Tighter US Curbs (2)(抜粋)

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