日本の半導体産業に大復活の兆しが…! 米巨大企業の進出で「第二の九州」になる「都市の名前」

AI要約

日本半導体製造装置業界の販売見通しに関する発表が行われた。

AI業界の成長により、半導体製造装置メーカーの収益機会増加が期待されている。

過去の動向や現状を振り返りつつ、半導体市況の復活への期待が高まっている。

日本の半導体産業に大復活の兆しが…! 米巨大企業の進出で「第二の九州」になる「都市の名前」

7月4日、日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、2024年度のわが国半導体製造装置の販売高の見通しを公表した。

それによると、国内半導体製造装置メーカー(海外拠点含む)の販売高予測は2023年度比15%増の4兆2,522億円になる見通しだ。2025年度、2026年度に関しても10%程度の販売高の増加(成長)を見込む。

世界的にAI業界は急速に成長している。AIの学習のために米エヌビディアの画像処理半導体(GPU)や、韓国SKハイニックス等が量産する広帯域幅メモリー(HBM、超高速DRAM)の需要は膨らむばかりだ。

AIチップの生産を受託するTSMCの先端製造ラインはフル稼働に近い状態にある。台湾で半導体の性能試験などを行う企業も、追加の受注に対応が難しくなっているのが現状だ。

GPUやHBMの供給に向け、世界の半導体大手は生産ラインの増設に取り組んでいる。特に、米マイクロンテクノロジーは、広島工場をHBMの生産拠点にする方針を示した。

同社をはじめ、半導体メーカーの設備投資積み増しの可能性は高い。AI分野の成長によるチップの性能向上、量産体制構築を背景に、わが国の半導体製造装置メーカーの収益機会増加の可能性は高まりそうだ。わが国半導体産業の復活を目指す動きに期待したい。

これまで、わが国の半導体製造装置業界は低迷を続けてきた。売上高推移をみると、半導体市況のサイクルに従い上昇と下落を繰り返しながら減少傾向を辿ってきた。

一方、2017年ごろから、スマホの普及やデータセンター建設増加などで、世界的に半導体の需要は増えた。2019年からコロナショックの深刻化で2020年前半にかけて市況は下落したものの、その後、テレワークの増加などで半導体需要は増加に転じた。

2023年にかけて、一時的に、メモリーなど世界の半導体市況は鈍化し、半導体の製造装置の販売も伸び悩んだ。AI分野の成長で半導体製造装置メーカーにも好調の恩恵が及ぶとの見方は出たものの、2023年から本年前半まで半導体製造装置業界はまだら模様の状況にあった。