カナダ6月CPI、2.7%に鈍化 利下げ観測を後押し

AI要約

カナダの6月消費者物価指数が市場予想を下回る伸び率となった。金融市場では利下げが期待されており、中央銀行の政策会合で実施される確率が高まっている。

ガソリン価格の伸び鈍化がインフレ率の減速に影響し、コアインフレ指標も若干低下した。食品やエネルギーを除くコアCPIは上昇傾向にある。

先月の政策金利引き下げ後、カナダ中銀が再び利下げを検討している中、経済指標の動向が注目されている。

カナダ6月CPI、2.7%に鈍化 利下げ観測を後押し

[オタワ 16日 ロイター] - カナダ統計局が16日発表した6月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は2.7%と、ロイターがまとめた市場予想(2.8%上昇)をわずかに下回った。

5月のCPIは2.9%だった。コア指標も小幅に鈍化したことから、金融市場では25ベーシスポイント(bp)の利下げが実施されるとの観測が強まった。

6月CPIの前月比は0.1%下落と、12月以来初めて前月比で下落した。予想は横ばいだった。

統計局によると、ガソリン価格の伸び鈍化が総合インフレ率の減速に寄与した。

今回のデータ公表後、金融市場が織り込むカナダ銀行(中央銀行)が7月24日の政策会合で利下げを行う確率は88%と、公表前の82%から高まった。

中銀が重視するコアインフレ指標の一つであるCPI中央値とCPIトリム値の平均上昇率は前年同月比2.75%と、前月の2.8%から伸びが若干下がった。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比2.9%、サービス価格は4.8%、それぞれ上がった一方、財価格の上昇率は5月の1%から0.3%に鈍化した。

先月、カナダ中銀は政策金利の25bp引き下げを決定。主要7カ国(G7)で最初の利下げに踏み切った。