森林資源活用で林業革命を 杉のチカラ 高橋則之社長 埼玉活躍企業

AI要約

森林資源を活用した商材を開発、販売する杉のチカラが林業革命を目指す取り組みを紹介。

スギを用途拡大し、新技術による市場創造を図る一方、オーガニックの高機能製品を開発してペット用品市場へ注力。

将来は、斬新な商品開発と共に林業6次産業化のビジネスモデルを展開し、森林サービス産業のプラットフォーマーとして活躍する意向。

森林資源活用で林業革命を 杉のチカラ 高橋則之社長 埼玉活躍企業

スギを含む森林資源を活用した商材を開発、販売する杉のチカラ(久喜市)。高橋則之社長(60)は、森林サービス産業のプラットフォーマーとして林業革命を実現したいと意気込みを示す。

--起業のきっかけは

「国土の7割が森林の日本で、その固有種のスギは、需要が急減し伐採も整備もされず放置され過密・高齢化し、林業の衰退や生物多様性の減少、CO2(二酸化炭素)吸収量の減少などが大きな社会問題となっています。一方、スギを材木の用途ではなく健康的で衛生的な天然成分を生かした異次元の用途で活用・製品化するならば、新たな需要を開拓し、林業の活性化と森林再生の活路を切り開くことができると考え起業しました。当社のパーパス(企業目的)は『杉のチカラで地球を元気にする』です」

--現在注力している事業内容などは

「莫大(ばくだい)な資源量を誇る日本のスギの生理活性効果を生かす特許技術で、ペット用品市場の世界共通のニーズである植物由来のオーガニックの高機能製品を開発し、ペットと人の健康をサポートするプロダクト事業に注力しています。また、スギを含む森林資源を異次元用途で活用する独自技術と商品開発力で、新たな商流を創出し、林業に直結させて林業の6次産業化と高収益化を図り、このモデルをFC(フランチャイズ)パッケージ化して展開していきます」

--今に至るご苦労は

「スギの用途拡大を念頭に、新技術により市場創造型商品としてオーガニック猫用品のブランド『杉にゃん』を開発しました。当初は販売に苦労しましたが、多くの譲渡団体との提携やSNSの情報発信で認知が拡大し、今では海外から直接オファーが来るようになりました。また、オーガニック用品は製造過程で多くの時間や人手を要し、量産化に苦労しましたが、遊休農地活用や障害者就労支援事業所との協業などによりクリアできました」

--新たに取り組みたい事業などは

「日本固有種のスギの天然有効成分に加え、スギのどの部分を活用したらよいか豊富な知見や技術を活用した商品として、例えば、なめても無害で猫の皮膚をきれいにするクレンジングオイルの開発など、ペット市場の製品面のイノベーションを推進し、斬新な商品のラインアップを拡充していきます。また、アレルゲン対策用品やスキンケア用品、バイオトイレ用材、キノコ菌床用材など森林資源全般の価値向上、新市場創造に取り組みます。その上で、生産や加工、販売をITでつなぐ林業6次化のビジネスモデルをFC展開し、森林サービス産業のプラットフォーマーとして林業革命を実現します」

--埼玉企業としての意気込みは