『クロマグロ』が安く買える日が来るかも!?近年は資源量が増加傾向 一方で専門家の“推し”は「知名度は低い」がお手ごろな『ミナミマグロ』

AI要約

日本がクロマグロの漁獲枠拡大を求める国際会議が開催中。漁獲量増加による価格変動の可能性。

日本で食べられている主なマグロの種類と用途。クロマグロやミナミマグロの特徴。

太平洋クロマグロの漁獲量の変化や漁獲枠の拡大に伴う将来の課題。

『クロマグロ』が安く買える日が来るかも!?近年は資源量が増加傾向 一方で専門家の“推し”は「知名度は低い」がお手ごろな『ミナミマグロ』

 “マグロの王様”とも言われるクロマグロをめぐり、国際会議で日本が漁獲枠の拡大を求めています。漁獲量が増えると、マグロの価格は安くなるのでしょうか?一方で、同じようにおいしいけど低価格で買えるマグロもあるようです。日本人の多くが愛してやまないマグロのあれこれについて、魚食普及推進センターの早武忠利さんへの取材などをもとに情報をまとめました。

 日本で食べられている主なマグロの種類は、クロマグロ・ミナミマグロ・メバチ・キハダ・ビンナガ(ビンチョウ)です。クロマグロはいわゆる本マグロ。ミナミマグロはインドマグロとも呼ばれますが、日本の流通量はクロマグロの3分の1程度です。クロマグロとミナミマグロは脂が多く、刺身や寿司のネタとして使われることが多いです。

 メバチ・キハダ・ビンナガ(ビンチョウ)も刺身として使われますが、どちらかというとあっさりしているため、ツナ缶やお惣菜の煮付けによく使われるそうです。

 そんな中、7月10日から開催されている国際会議「中西部太平洋まぐろ類委員会」。毎年行われている会議で、日本・韓国・台湾が太平洋西側でとる太平洋クロマグロの漁獲上限を決めています。

 現在のクロマグロの漁獲上限は、小型魚(30kg未満)が年間4725トン、大型魚(30kg以上)は年間7609トンです。この漁獲上限について水産庁、つまり日本は、小型魚を1.3倍に、大型魚を2.3倍に引き上げることを求めました。

 小型と大型で上限に差がある理由は、小型のほうが1トンあたりに多くの魚が含まれるため、小型をとりすぎてしまうと将来、大型になる魚が減ってしまうからです。

 漁獲枠の拡大を求めたその背景にあるのは、太平洋クロマグロの量(資源量)の変化です。2010年ごろまではクロマグロの量は減少傾向でしたが、環境保護の動きが功を奏して、量が大きく増えたのです。漁師だけではなく趣味でフィッシングをする人にも「このサイズはとってはいけない」というルールが厳格化されたことも影響しているのかもしれません。

 太平洋クロマグロの量は、現在の上限でとっていったとしても、今後も増えていくことが予想されています。そのため、要は“もっととって、もっと流通させていこう”ということを日本は求めています。

 今回で言うと、日本・韓国・台湾という3つの国・地域の漁獲量を増やそうということで、実際に漁獲枠が拡大した際には、その内訳をどうするか、さらに話し合いが必要になってくるということです。