ウクライナ勝利へ「基盤整備」 事務総長が強調 NATO首脳会議閉幕

AI要約

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議がワシントンで閉幕し、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加してロシアの侵攻について協議が行われた。

ウクライナ支援に関する重要な決定が行われ、NATO加盟国全体で少なくとも400億ユーロの軍事支援が予定された。

インド太平洋地域の4カ国首脳も参加し、サイバー防衛や偽情報対策などで連携強化が行われた。

 【ワシントン時事】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は11日、ワシントンで最終日の討議を行い閉幕した。

 最終日はロシアによる侵攻を巡り、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加して協議。NATOのストルテンベルグ事務総長は、閉幕後の記者会見で「われわれはウクライナ勝利のための基盤を整えている」と強調した。

 ストルテンベルグ氏は、西側諸国の支援遅れで劣勢を強いられたウクライナが「厳しい冬と春を経験した」と認めた。その上で、首脳会議では継続支援に向けた対応を決定したと述べた。NATOは10日、加盟国全体で2025年末までに少なくとも400億ユーロ(約7兆円)規模の軍事支援を実施することや、ドイツへの司令部新設などで合意した。

 ゼレンスキー氏は記者会見で、米国などが発表した防空兵器の追加支援などを歓迎。ただ、8日に首都キーウ(キエフ)の小児病院が攻撃されたことを踏まえ、西側諸国が供与した武器によるロシア領内への攻撃に関し「全ての制限を撤廃する必要がある」と訴えた。米国は反撃のための越境攻撃に限り米国製武器の使用を認めている。

 NATOは11日、岸田文雄首相らインド太平洋地域の4カ国首脳が参加する会合も実施。サイバー防衛や偽情報対策など4分野での連携強化で一致した。ストルテンベルグ氏は、中国の対ロ支援を懸念した上で、パートナー国との「緊密な連携がさらに重要になっている」と語った。

 首脳会議は9日から3日間にわたり行われた。バイデン米大統領は11日の記者会見で「大成功だった」と成果をアピールした。