寝ても疲れが取れない夏の夜……。ふだんの夕食を「眠りによい夕食」に変える簡単な方法【睡眠力を上げるレシピ付き】

AI要約

日本の睡眠時間が短い中、睡眠の質を向上させるためには食事に注意が必要です。特にトリプトファン、グリシン、GABAなどの栄養素を意識して摂取することが重要です。

これらの栄養素は、セロトニンやメラトニンなどの睡眠に良い影響を与える成分が含まれており、それぞれの食材から効果的に摂取することができます。

ビタミンB12やカルシウム、鉄なども睡眠に良い影響を与える栄養素であり、バランスよく摂取することで快眠をサポートすることができます。

寝ても疲れが取れない夏の夜……。ふだんの夕食を「眠りによい夕食」に変える簡単な方法【睡眠力を上げるレシピ付き】

栄養素を効果的に摂る方法世界でも睡眠時間が短いといわれている日本。多くの人が「うまく眠れない」「寝ても疲れが取れない」と睡眠に不満を持っています。睡眠を改善するには、どれだけの時間眠れるかと同時に、質のよさも重要なポイントです。実は「食」には睡眠の質を向上させる効果があります。よりよい睡眠のために積極的に摂りたい食材や食べ方の工夫について、睡眠専門医の雨晴クリニック院長の坪田聡先生が解説します。

【坪田聡(つぼた・さとる)】

医師・医学博士。雨晴クリニック院長。日本睡眠学会、日本医師会所属。

「快眠で健康な生活を送ろう」をコンセプトに、睡眠専門医として20年以上診療にあたる。

2006年、生涯学習開発財団認定コーチの資格を取得し、睡眠コーチングを創始。

2007年から「All About」睡眠ガイドとなる。『睡眠は50歳から「老化」する』(大和書房)、『快眠ごはん』(海竜社)など著書多数。

心身の健康を維持するために大切なのは「食事・運動・休息(睡眠)」の3つ。「食生活の見直しで、睡眠の質を上げると同時に健康な生活を手に入れることができます」と雨晴クリニック院長の坪田聡先生は語ります。

では、具体的に食事の何を見直せばいいのでしょうか。

最初に押さえておきたいのが、良質な睡眠を得やすくする「栄養素」の存在です。

坪田「快眠のためにぜひ取り入れたい栄養素は、トリプトファン・グリシン・GABAという3つのアミノ酸です。ほかにもメラトニン・ビタミンB12、カルシウム、鉄などが、眠りにはよい影響を与える栄養素となります」

それぞれの栄養素の効果と含まれる食材は次の通りです。

●トリプトファン

体内で生成できない必須アミノ酸。幸せホルモン「セロトニン」、睡眠ホルモン「メラトニン」の原料となり、気持ちの安定と夜の安眠効果をもたらす。朝に摂るのが効果的

<食材>牛乳などの乳製品、豆類・大豆製品、バナナ・アボカド、肉類、筋子・たらこ

●グリシン

血液の流れを良くする作用があるアミノ酸の一種。入眠時の体温低下をスムーズにすることで、寝つきをよくし熟睡できる

<食材>エビ・ホタテ・イカ・カニなどの魚介類

●GABA

神経伝達物質のアミノ酸。心身をリラックスさせる副交感神経を優位にし、夜に眠気をもたらす。アルツハイマー型認知症予防や症状改善にも効果がある。摂取の目安は1日10~20mgで、2時間ほどで効果が表れる

<食材>発芽玄米・胚芽米・アワ・キビなどの雑穀、漬物、小魚、トマト・スプラウト(発芽野菜)、ココア・チョコレート

●メラトニン

入眠を促す働きがある

<食材>米・麦などの穀類、かいわれ大根・ケール、アメリカンチェリー

●ビタミンB12

体内時計を調整し睡眠・覚醒リズムを整える。60歳以上は不足しがち

<食材>サケ・イワシ・ウナギなどの魚介類、シジミ・アサリなどの二枚貝、のりなどの海藻類、レバーなどの肉類、卵、牛乳などの乳製品

●カルシウム

神経の興奮を抑え、睡眠時間を調整する

<食材>干しエビ・小魚などの魚介類、海藻類、牛乳などの乳製品、ケール・ブロッコリー・白菜

●鉄

鉄分不足による不安やイライラが不眠の原因に。女性は不足しやすい

<食材>レバー、カキ・アサリ・ホタテ・サバ・小魚などの魚介類、米・小麦・トウモロコシ、黒豆・大豆・枝豆、アスパラガス、きくらげ、のり・ワカメなどの海藻類