【どちらも最高値】日米の株価動向と企業決算の焦点【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】

AI要約
日経平均とTOPIX、S&P500指数とナスダックが最高値を更新日本の4-6月期決算に注目、25%を超える進捗率で上方修正期待米国も好業績が続く見通し
【どちらも最高値】日米の株価動向と企業決算の焦点【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】

チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)が解説します。

●日経平均とTOPIXは直近で最高値を更新し、S&P500指数とナスダックも連日最高値を更新中。

●日本は4-6月期決算に注目、進捗率が25%超えてくれば業績予想の上方修正期待は高まろう。

●米国では来年も好業績が続く予想、日米とも業績に関する材料が先行きの株価を支える見通し。

日経平均株価は7月9日、3営業日ぶりに過去最高値を更新し、終値で初めて41,000円台に乗せました。また、東証株価指数(TOPIX)も7月4日、34年7ヵ月ぶりに過去最高値を更新した後、高値圏での推移が続いています。7月に入り、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、アドバンテストなどの値がさ株や、ソフトバンクグループ、キーエンスなどの大型株の上昇が、日経平均とTOPIXをけん引しています。

一方、米国株も堅調な動きがみられ、S&P500種株価指数とナスダック総合株価指数は7月9日まで6営業日連続で過去最高値を更新しています。7月に入ってからも、米ハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」はそろって上昇しており、両指数の押し上げ要因とみられます。なお、ダウ工業株30種平均は、構成銘柄のユナイテッドヘルスやマクドナルドなどのマイナス寄与が大きく、相対的に出遅れています。

日経平均とTOPIXが最高値を更新した背景の1つに、今月下旬から本格化する4-6月期の企業決算に対する期待が高まっていることがあると思われます。TOPIXを構成する3月期決算企業(金融とソフトバンクグループを除く)による今年度の業績予想は、純利益が減益となっており、また、ドル円の想定為替レートは主要企業平均で1ドル=約144円と、かなり控えめな内容です。

足元の円安地合いを踏まえれば、輸出企業などの業績予想に十分な上方修正余地はあり、実際、市場が予想するTOPIXの12ヵ月先1株あたり利益(EPS)は堅調な推移が続いています(図表1)。4-6月期決算の段階で、早々に上方修正を行う企業は少ないと思われますが、今年度の業績予想に対する4-6月期実績の割合(進捗率)が、25%を大きく超えてくれば、次の中間決算での上方修正期待は高まると考えます。