〔東京外為〕ドル、161円台半ば=実需買いで上昇(10日正午)

AI要約

ドルは実需買いに押されて161円台半ばまで上昇

海外市場では米長期金利の動向が影響し、ドル高が続くも東京市場は小幅な値動き

日本時間は方向感が出にくい状況で円売り安心感が広がるも、上値の追いは限定的

 10日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需の買いが優勢となり、1ドル=161円台半ばに上昇した。正午現在は、161円50~51銭と前日(午後5時、160円91~92銭)比59銭のドル高・円安。

 前日の海外市場では、欧州時間は米長期金利の上昇により161円10銭台に値を上げた。米国時間の序盤は、パウエルFRB議長が上院銀行委員会で利下げに慎重な姿勢を示したことを背景に長期金利が上昇し、一時161円50銭台に水準を切り上げた。中盤にかけては長期金利の上昇が一服し、161円20銭台に軟化すると、終盤も同水準で推移した。

 こうした海外市場の流れを引き継ぎ、この日の東京時間は161円30銭台でスタート。仲値にかけては、五・十日による国内輸入企業のドル買い・円売りが優勢となり、161円50銭台まで買い進まれた。その後は、手掛かり材料に欠く中、小幅にもみ合っている。

 前日のパウエルFRB議長の発言を受けてドル高が進んだが、東京時間は「3日に付けた高値を超えるほどの材料がない」(シンクタンク)とされ、上値を追う動きは限定的になるとみられる。ただ、「円売り安心感が広がっている」(国内証券)ため底堅く、目先は「方向感が出にくい」(同)との声が聞かれた。

 ユーロは朝方に比べ対円で上昇、対ドルで小動き。正午現在、1ユーロ=174円69~70銭(前日午後5時、174円06~07銭)、対ドルでは1.0814~0819ドル(同1.0817~0817ドル)。