〔米株式〕NYダウ続落、182ドル安=ナスダックは高い(9日午前)

AI要約

ニューヨーク株式市場は、パウエルFRB議長の証言で下落し、米長期金利の上昇が影響している。

パウエル議長は金融政策に慎重な姿勢を示し、利下げ時期を探る考えを述べた。

個別銘柄ではヘルスケア関連が下げ、一部のテクノロジー銘柄が上昇している。

 【ニューヨーク時事】9日午前のニューヨーク株式市場は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けた米長期金利の上昇で下げ幅が拡大し、続落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時15分現在、前日終値比182.27ドル安の3万9162.52ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は101.64ポイント高の1万8505.38。

 パウエル議長は9日、上院銀行委員会で金融政策に関し「直面するリスクは高インフレだけではない」と証言、物価と景気の動向双方に目配りし、慎重に利下げ時期を探っていく考えを示した。パウエル氏はインフレ鈍化に小幅な進展が見られたとしつつも、「インフレが2%の目標に向かって持続的に低下するとの確信をさらに得るまで利下げが適切とは思わない」と改めて指摘。FRBが現行の政策金利を当面据え置くことを示唆したと受け止められ、米長期金利が上昇し、米株が売られた。

 前週末に発表された6月の米雇用統計では、労働需給の軟化が示された上、賃金のインフレにやや落ち着きが見られた。これを受けて、前週末からFRBが9月にも利下げに動くとの観測が広がっていた。この日はボウマンFRB理事の講演も午後に予定されており、利下げ時期を探る上で、パウエル議長の質疑応答のほか、同理事の発言も注目される。

 個別銘柄では、メルク、アムジェン、ユナイテッドヘルス・グループなどヘルスケア関連が下げているほか、アップル、セールスフォースなども小安い。一方でダウ30種構成銘柄以外ではエヌビディアが上伸。金融機関による目標株価の引き上げが好感された。マイクロン・テクノロジーなど同業の半導体銘柄も買われている。