西鉄、再生可能エネルギー発電の管理事業会社と資本業務提携…「蓄電池」事業拡大へ連携強化

AI要約

西日本鉄道とシゼンコネクトが資本業務提携を結ぶ。西鉄がシゼンコネクトの新株予約権付き社債を取得。両社は系統用蓄電池事業の拡大に向け連携を強化。

系統用蓄電池は送電線につなげて充電や放電が可能な設備であり、電力市場で収益を上げるための活動を行っている。

西鉄とシゼンコネクトは福岡県宇美町で系統用蓄電池事業を展開。シゼンコネクトはAIを活用した価格や需給の予測ノウハウを持っており、連携強化で収益力向上を目指す。

 西日本鉄道は9日、人工知能(AI)を活用した再生可能エネルギー発電の管理事業などを展開するシゼンコネクト(東京)と資本業務提携を結んだと発表した。西鉄が新株予約権付き社債を取得した。取得額は非公表。両社が力を入れる「系統用蓄電池」事業の拡大に向け、連携を強化する。

 系統用蓄電池は電力会社の送電線につなげて充電したり放電したりすることができる設備だ。大手電力などが電気を売買する卸電力市場で、電気が余って安くなる時間帯に調達し、高くなる時間帯に売電することなどで収益を上げる。

 西鉄はシゼンコネクトの親会社と福岡県宇美町で系統用蓄電池事業を展開している。シゼンコネクトは、市場取引をAIに学習させて価格や需給を予測するノウハウを持っており、連携強化で市場での売買による収益力向上を目指す。

 九州では、太陽光を中心に再生エネが爆発的に普及した。需要を上回る電気が送電線に流れ込むと周波数が乱れ、停電につながる恐れがあるとして、事業者が発電の一時停止を求められる「出力制御」が頻発している。蓄電池の普及は抑制につながるため、西鉄の担当者は「再生エネの普及や電力供給の安定化に貢献したい」としている。