〔NY外為〕円、160円台後半(8日)

AI要約

ニューヨーク外国為替市場では、パウエルFRB議長の証言や米インフレ指標の発表を控え、様子見ムードが広がり円相場は小動き。

米経済指標の発表がなく、円相場は160円台半ばから後半で狭いレンジ内で推移。パウエル議長の証言や米消費者物価指数の発表を控え、持ち高調整の売り買いが中心。

FRBの金融政策報告では労働市場の需給バランスが良好との見解が示され、インフレ率は目標を上回りつつ鈍化している点に不安がある。

 【ニューヨーク時事】週明け8日のニューヨーク外国為替市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言や米インフレ指標の発表を週内に控えて様子見ムードが広がる中、円相場は1ドル=160円台後半で小動きとなった。午後5時現在は160円79~89銭と、前週末同時刻(160円77~87銭)比02銭の円安・ドル高。

 この日は主要な米経済指標の発表がなく、米長期金利の低下を眺め、円相場は160円台半ばから後半の狭いレンジで推移した。ただ、9~10日にはFRBのパウエル議長が上下両院で議会証言を予定しているほか、11日には6月の米消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、持ち高調整の売り買いが中心となった。

 パウエル氏の議会証言に先立ち、FRBが5日に公表した金融政策報告によると、労働市場に関しては、「需給バランスがコロナ禍直前と同様な状況になったようだ」との見解が示された。前週末に発表された6月の雇用統計は、労働市場の軟化を示唆する内容だった。一方、FRBはインフレ率に関して、物価統計、個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが今年に入り鈍化しているとしたものの、「目標の2%を依然として上回っている」との警戒感を示した。今後の物価統計次第では、具体的な利下げのタイミングが議論になるとの声もあり、注目が集まっている。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0819~0829ドル(前週末午後5時は1.0830~0840ドル)、対円では同174円01~11銭(同174円20~30銭)と、19銭の円高・ユーロ安。