〔米株式〕NYダウ下落に転じる、85ドル安(8日午後1時10分)

AI要約

ニューヨーク株式相場は、決算発表を前にして買いが先行し始めたものの、様子見ムードも広がり下げに転じた。

FRBが利下げを開始するとの観測が再燃し、金融株を中心に買いが入りやすい状況だったが、週内に重要な経済指標やFRB議長の証言が控えているため、様子見の動きもある。

今後の金融政策の方向性を占おうとの思惑から、投資家は議会証言などの情報を注視しており、相場は一進一退の展開となっている。

 【ニューヨーク時事】週明け8日午後のニューヨーク株式相場は、今週からの決算発表を前にした大手金融機関などに買いが集まり買いが先行して始まったものの、その後は週内に米インフレ関連指標や米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言を控え様子見ムードも広がり、下げに転じている。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午後1時10分現在、前週末終値比85.54ドル安の3万9290.33ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は28.31ポイント高の1万8381.07。

 前週末は、米雇用統計で労働市場の軟化の兆しが示唆されたとの見方から、FRBが9月にも利下げを開始するとの観測が再燃。この日は米主要経済指標の手掛かりに欠ける中、ひとまず買い先行で寄り付いた。週末12日には、JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴなど金融大手を皮切りに、今年4~6月期の企業決算シーズンに入る。期待感から金融株を中心に買いが入りやすいことも、相場全体を支援し、午前には一時270ドル超高となる場面もあった。

 ただ、今週は、FRBが金融政策の判断材料として重視する米消費者物価指数(CPI)が11日に発表されるほか、パウエルFRB議長が9、10両日、上院両院の委員会で金融政策などについて証言する。今後の金融政策の方向性を占おうとの思惑から様子見気分も強く、午後に入ってからはマイナス圏に転落している。