高齢化団地の上下階「セット貸し」が満室 家賃5万円台で若い世代呼び込む

AI要約

URが取手井野団地で上層階の部屋を2部屋セットで貸す試みが好評

URは高齢化が進む団地に若い世代を呼び込み新たなライフプランを提案

家賃を抑え、在宅ワークや趣味の部屋として活用可能

高齢化団地の上下階「セット貸し」が満室 家賃5万円台で若い世代呼び込む

 エレベーターがないことで避けられがちな団地の上層階の部屋を、2部屋セットで貸す試みが好評となっています。

 茨城県取手市でUR(都市再生機構)が提供する取手井野団地は、築およそ50年、戸数は2160あるマンモス団地です。

 4階に暮らす平井亨季さん(28)が階段を上がり、5階に向かいます。そして、そのまま部屋に入っていきます。すると、そこには…。

平井さん

「映像制作をしたりとか、読書をしたりとか、映像を見たりとか、仕事兼趣味みたいな。そういう感じの場所として使っています」

 映像アーティストとして活動している平井さん。普段は4階にある48平米・3Kの部屋に住み、仕事や趣味の部屋として44平米ある5階を使っていました。

 実はURでは、今年から4階と5階の2部屋を“セットで貸し出す”という新たな取り組みを開始したのです。

UR都市機構 瀬戸研太郎さん

「全国的な課題ではありますが、少子高齢化が進んでいるところもあり、住宅のストックというものをどのように有効活用していくか検討してきたというところが背景となっております」

 取手井野団地では、ピーク時の1976年には2145世帯が入居していましたが、今年4月には1684世帯に減少。また、65歳以上の高齢者が占める割合はおよそ52%に上ります。

 団地にはエレベーターがないため、階段の上り下りが負担となり、4階から5階の空室が目立っていたといいます。

 そこで今回、高齢化が進む団地に若い世代を呼び込み、新たなライフプランを提案しようと、上層階をセットで貸すことにしました。

 家賃も1つの物件で4万円台のところ、4階と5階のセットで5万円台に抑えました。

瀬戸さん

「(5階は)内装、間仕切り、水道設備などを撤去した広々とした空間となっております。キッズスペースであったりとか、筋トレだったりゲームなど趣味の部屋だったりとか。あとは、在宅ワークのスペースなどといった使い方を想定しております」