人気のジュエリー、バランス誕生の秘密 TASAKI社長「真珠のタブーは気にしない」

AI要約

真珠ブランドTASAKIは、伝統的なイメージを覆し、アバンギャルドなデザインで成功を収めている。

若い世代に人気の「バランス」や「デインジャー」をモチーフにした真珠ジュエリーが注目を集めている。

創業70周年を祝うエキシビション「FLOATING SHELL」を原宿で開催し、若い層への認知拡大に取り組んでいる。

人気のジュエリー、バランス誕生の秘密 TASAKI社長「真珠のタブーは気にしない」

フォーマルで上品――。多くの人が真珠に抱く「コンサバ」なイメージを打ち破り、アバンギャルドなデザイン力で急成長を遂げた真珠ブランドがある。創業70周年を迎えたTASAKIだ。

ソリッドなバーの上に真珠が並ぶ「バランス」、食虫植物から連想した「デインジャー」は若い世代の注目の的で、男性が着けるパールジュエリーとしても脚光を浴びている。社長の田島寿一さんは、「真珠の固定観念を打ち破ることができたから」と成功の要因を明かす。

グッチやフェンディ、ディオールなど数々のラグジュアリーブランドのブランディングで手腕を発揮してきた田島社長は、拡大基調にある真珠のマーケットにどのような戦略で臨んだのか。

――2024年4月下旬から5月にかけて東京・原宿で創業70周年を祝うエキシビション「FLOATING SHELL(フローティングシェル)」を開きました。「バランス」や「デインジャー」をモチーフに、真珠をあしらったスニーカーやイヤホンも披露するポップな展覧会でしたが、若い人への訴求を意識したのでしょうか。

「そう、原宿を選んだのも若い世代に見ていただきたいからです。こうしたエキシビションは創業以来、初の試みです。いま、TASAKIが若い人に人気といわれていますが、それでもまだ、ジュエリーが気になるけどお店に入る勇気がない、という方は結構多いのです。旗艦店の銀座店は、やっぱりちょっと入りにくい。そう感じてしまう人たちにもブランドを知ってもらう上で、原宿がベストな場所だなと思っていました」

――社名を変更する以前の「田崎真珠」は、富裕層を顧客に持つクラシックな真珠メーカーのイメージでした。トレンドに敏感な20代前半の顧客層をどう見ていますか。

「若い人たちが興味を持ってくださるのはすごくいいことです。もっとも、実際には我々の顧客層において、こうした方々が大きな厚みを持っているわけではありません。今も層が厚いのは30代、40代です。50代、60代のお客様も多いのですが、新たな顧客となってTASAKIを支えてくださっているのは30代、40代。この世代には、20代の若い女性たちがお手本にしたいと思う、ミューズのような人がいるのです」

――購買力もある30代~40代世代が主体なのは理想的ですね。

「今の30代、40代は感性も良いし、新しいものに順応するのがものすごく早い。流行を先取りするのも得意です。お客様としては手ごわいのですが、そうした方々に支持されるかどうかがとても大事です」