路線価上昇率32・1%でトップの長野県白馬村、外資など再開発 「第2のニセコ」危惧も

AI要約

長野県白馬村の路線価が急上昇し、外国投資家から注目されている。しかし、過剰観光による懸念もある。

白馬村は夏でも人気で、スキーリゾートや自然が魅力的だとしてSNSで話題になっている。

外国資本による再開発が地価高騰を支え、冬場のスキー客の半数以上が外国人である。将来的にも価格は上昇する見通し。

路線価上昇率32・1%でトップの長野県白馬村、外資など再開発 「第2のニセコ」危惧も

国税庁が1日に発表した路線価で、上昇率の全国トップは長野県白馬村の「村道和田野線」(同村北城)だった。割安のスキーリゾート地として海外投資家から注目され、路線価は1平方メートルあたり3万7千円で昨年から32・1%上昇した。一部の住民からは、外資主導の開発後にオーバーツーリズム(観光公害)に悩む北海道のニセコ地区を念頭に「『第2のニセコ』にしてはならない」と危惧する声も上がる。

■「夏でもSNSで話題」

北アルプスを臨むJR白馬駅から車を10分走らせると、木々に囲まれた村道和田野線の入り口に続く。通りには高級ホテルやペンションが軒を連ねている。

駅からほど近いスキー場「白馬岩岳マウンテンリゾート」は近年、夏も観光客でにぎわう。

北アルプスに飛び込むような感覚を味わえるブランコや、山々を一望できるテラスが人気といい、京都から訪れた女性(22)は「都会にはない広大な自然を感じられる。今の白馬は夏でもSNSで話題だ」と興奮気味に話す。

同施設の広報担当は「季節にとらわれず、ファンを獲得することが重要だ」と力を込める。

■冬場のスキー客、約5割が外国人

白馬村の地価高騰を支えるのは、こうした国内外資本による再開発だ。

白馬村は東京や京都から近い上に良質な雪を楽しめるスキーリゾートとして再評価が進む。冬場のスキー客の約5割を外国人が占めており、訪日客増加を見越した外資系の進出が相次いでいる。

平成30年には米マリオット・インターナショナルが白馬村初の外資ブランドホテルをオープン。令和8年以降には国内でホテル運営を手掛けるウェルス・マネジメントが外資系と組み、シンガポールを拠点とする海外の高級ホテルブランド「バンヤンツリー」を白馬村にある国内最大級のスキー場周辺に開業予定だ。

地元の不動産関係者は「白馬村はまだ割安感が強い。円安や海外資本の流入で今後も路線価は上昇傾向が続くだろう」との見方を示す。

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