理美容サロン市場規模、2023年は前年比1.0%増の2兆920億円 値上げでも来店客数は増加傾向に

AI要約

2023年度の理美容サロン市場規模は2兆920億円で前年比1.0%増。値上げが行われた背景には物価上昇や労働環境改善の影響がある。

値上げにも関わらず、来店客数は増加傾向にあり、施術時間の長いオプションメニューの需要も高まっている。

2024年の市場規模は2兆930億円と予測されており、各サロンは付加価値の提供に注力している。

理美容サロン市場規模、2023年は前年比1.0%増の2兆920億円 値上げでも来店客数は増加傾向に

 コンビニよりも軒数が多いとされる理美容サロンだが、その市場規模はどうなっているのか。矢野経済研究所が調査結果を発表し、2023年度の同市場規模は事業者売上高ベースで前年度比1.0%増となる、2兆920億円だと分かった。

 物価の上昇が続く昨今、理美容サロン業界でも2023年度は施術料金の引き上げが相次いだ。仕入れ価格や光熱費の高騰だけでなく、人材確保に向けた労働環境の整備や賃上げなどが影響しており、消費増税があった2019年以来の値上げに踏み切ったサロンも多い。

 値上げとなっても来店客数は大手有力企業を中心に増加傾向だ。矢野経済研究所は「新型コロナウイルス感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、行動制限が緩和され、外出の機会も増えた。そのため、身だしなみやおしゃれにかける支出の優先順位が上がったとも考えられる」と分析する。

 2024年の市場規模は、2023年度比100%の2兆930億円と予測。コロナ禍が収束し、長時間の接触を避ける必要がなくなったことから、施術時間が長いオプションメニューの訴求力も高まっている。各サロンは、どのように付加価値を提供していくか、岐路に立っているといえるだろう。

 直接面談や電話・メール、郵送アンケートや文献を基に、3~5月に調査した。対象は、理美容チェーン、シェアサロン運営企業、理美容商社・卸、理美容化粧品・機器メーカーなど。