米景気減速、FRB政策ミスのリスク高めている-エラリアン氏

AI要約

モハメド・エラリアン氏は、米金融当局がインフレ指標の伸びが鈍化したことで政策ミスリスクが高まっていると指摘。

景気減速が早まっており、金融当局が急速なペースで減速に直面していると述べられている。

エラリアン氏は、金融当局が利下げを遅らせることで過度な利下げを迫られるリスクがあると警告している。

(ブルームバーグ): 米金融当局が重視するインフレ指標の伸びが5月に鈍化したことについて、モハメド・エラリアン氏は、金融当局による政策ミスのリスクを高めている景気減速が浮き彫りになったと述べた。

5月の個人消費支出(PCE)コア価格指数は前年同月比では2.6%上昇と、2021年3月以来の小幅な伸びとなった。

英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長を務めるエラリアン氏は「景気は多くのエコノミストの予想よりも速いペースで減速しつつあり、米金融当局が見込んでいたよりも急速だ」と述べた。

ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストでもある同氏は「景気は減速しており、緩衝材もほとんどない。フォワードルッキングな金融当局であるなら、7月利下げの可能性をテーブルに残しているだろう」と指摘。その上で、米金融当局は「依然として過度にデータに依存しており、彼らを変えるにはかなりの量の過去データが必要だ」と語った。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月、2024年の利下げ回数はわずか1回にとどまるとの見通しを示した。3月時点では3回を予想していた。市場は少なくとも年内1回、早ければ9月の利下げを織り込んでいる。

エラリアン氏は、米金融当局には高金利を「あまりに長く」維持するリスクがあると指摘。「今のところ、より可能性の高いミスは米金融当局が早期に利下げを開始せず、後になって必要以上の利下げを迫られることになることだ」と述べた。

同氏は米経済がリセッション(景気後退)入りする確率を35%、ソフトランディング(軟着陸)する確率を50%とそれぞれみている。

原題:El-Erian Says Slowing Economy Raises Fed Policy-Error Risk(抜粋)

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