「想定為替レート」平均は1ドル=143.5円 3期連続で最安値を更新

AI要約

2024年度決算の主要メーカー109社の期首の対ドル想定為替レートは1ドル=145円が半数以上を占めるほど円安設定で、平均値は143.5円で前期より14.5円の円安となった。業績は輸出部門の恩恵を受けて好調で、過去15年間の動向を考えると最安値を更新した。

2024年3月期決算では半数以上の企業が1ドル=130円で想定し、しかし期末には1ドル=151円になっており、円安が加速している。同期には増収増益する企業が半数以上で好決算が相次いだ。

2025年3月期も円安を見越し1ドル=140円台以上が予想され、大半の企業がこれを想定に据えている。15年間の推移で、2013年の高値から円安に加速する傾向が見られ、2023年以降3期連続で最安値を更新している。

「想定為替レート」平均は1ドル=143.5円 3期連続で最安値を更新

 株式上場する主要メーカー109社の2024年度決算(2025年3月期)の期首の対ドル想定為替レートは、1ドル=145円が54社(構成比49.5%)と約半数にのぼることがわかった。

 平均値は1ドル=143.5円で、前期から14.5円の円安設定だった。期首レートでは、2023年3月期決算から3期連続で最安値を更新した。

 2024年3月期決算(2023年4月-2024年3月)では、期首の想定為替レートを1ドル=130円に設定した企業が半数超の61社にのぼり、平均値は1ドル=129.0円だった。だが、期末に為替相場は1ドル=151円台の水準に達し、4月以降も円安がさらに加速している。

 ただ、円安の恩恵を受けている輸出部門は業績好調で、主要メーカーは好決算が相次ぎ、109社の2024年3月期決算は「増収増益」が58社(構成比53.2%)と半数を超えた。

 2025年3月期も円安を織り込み、1ドル=140円台を想定為替レートに設定したメーカーが99社(同90.8%)と集中している。また、1ドル=150円台も7社(同6.4%)あり、引き続き円安の長期化を前提とした業績予想が大半を占めた。

※ 本調査は、東京証券取引所に上場する主な電気機器、自動車関連、機械、精密機器メーカー(3月期決算企業)109社の2024年度決算(2025年3月期)の期首想定為替レートを、開示資料などをもとに集計して前期と比較した。

 主要上場メーカー109社の2025年3月期首の想定為替レートの平均値は1ドル=143.5円で、前期(2024年3月期首、1ドル=129.0円)から14.5円の円安となった。期首の想定為替レートでは、調査を開始した2011年3月期以降で最安だった前期をさらに上回った。

 2011年3月期以降の15年間の推移では、主要メーカーの想定為替レートは2013年3月期に1ドル=79.1円の高値を記録した。その後、アベノミクス推進で為替は円安ドル高に振れ、2016年3月期の1ドル=115.8円をピークに、1ドル=100円~110円前後で推移した。ところが、2022年以降、為替は日米の金利差やロシア・ウクライナ情勢などを背景に円安ドル高が加速した。

 これを受けて想定為替レートも2023年3月期首(1ドル=119.1円)以降、3期連続して最安値を更新した。