過度な為替変動に「適切な対応」 日韓財務対話、通貨安で懸念共有

AI要約

日韓財務対話が開催され、円安やウォン安への懸念が共有された。両国は為替レートの過度な変動に適切に対応することを確認。

両国の域内経済の回復を認識しつつも、外国為替市場などでの不確実性に警戒。金融の安定性を維持する政策対応の重要性を認識。

北朝鮮やロシアへの制裁に向け、税関当局で情報交換を促進。少子化対策など共通の課題についても協力を深めることが確認された。

過度な為替変動に「適切な対応」 日韓財務対話、通貨安で懸念共有

 日本と韓国の財務当局が、経済政策や二国間協力のあり方などについて話し合う「日韓財務対話」が25日、ソウルで開かれた。会談後の共同声明では、急速に進む円安やウォン安について「深刻な懸念」を表明。為替レートの過度な変動などに対して両国が「適切な対応」をとることを確認した。

 対話は今回が9回目。日本からは鈴木俊一財務相、韓国からは崔相穆(チェサンモク)・経済副首相兼企画財政相が出席した。声明は、域内経済が「世界経済よりも速く回復している」とする一方、外国為替市場などで不確実性が高まっていると指摘。金融の安定性を維持するために「機動的に政策対応を行うことの重要性を認識した」とした。鈴木財務相は会談後の会見で、「両国で懸念を共有することは、とても大切だ」と話した。

 北朝鮮とロシアに対する制裁を執行するため、税関当局で情報交換を一層促進することでも合意した。少子化という両国共通の課題について、政策の経験を共有するなど協力を深めることも確認した。次回は来年、日本で開催されることも決まった。(笠井哲也)