バイデン氏、孤立主義台頭に警鐘-トランプ氏が訪問中止の米兵墓地で

AI要約

バイデン大統領がフランスの米兵墓地を訪問し、孤立主義への警鐘を鳴らす。

トランプ前大統領が訪問を中止した経緯やバイデン氏のコメント、報道内容などが話題となっている。

バイデン氏はトランプ氏に対する批判も含め、国家の支持の尺度として戦没者追悼の重要性を強調。

(ブルームバーグ): バイデン米大統領は9日、フランスの米兵墓地を訪問し、米国における孤立主義の台頭に警鐘を鳴らした。この墓地はトランプ前大統領が6年前に訪問を中止したことで知られる。

バイデン大統領は、第1次世界大戦時代に戦死した兵士が埋葬されているエーヌ・マルヌ米兵墓地について、当時までに最も多くの死者を出した米海兵隊の戦闘で戦った兵士たちにとって最後の安息の地であり、「ノルマンディーに来て、ここで敬意を表するために少し足を伸ばすことをしないという考え」は理解できないと述べた。

献花した後に記者団との短い会話の中でバイデン氏は、米大統領選で対抗馬になる見込みのトランプ氏の名前には言及せず、同氏を巡る質問にも答えなかったが、トランプ氏を念頭に発言したことは明白だ。戦没者追悼は「民主主義的な価値への国家の支持の尺度だ」と語った。

米誌アトランティックは、2018年にトランプ氏が大雨で髪型が崩れることを心配して同墓地訪問を中止したことや、自国が関与した戦争で死亡した米国人を「負け犬」などと見くびる発言をしたと報じている。

バイデン大統領はそうした報道をたびたび取り上げトランプ氏を批判してきたが、トランプ氏は米軍中傷を否定し、天候に伴う輸送上の問題によるものだったと釈明した。

トランプ大統領、米戦没者を「負け犬」と侮辱したとの報道を否定

バイデン大統領は「われわれは今や半ば孤立主義者になったという考え方に言及する向きもある。つまり、イラクのための資金確保に何カ月も待たされたということだ」とウクライナをイラクと言い間違えて述べた上で、「それは米国の本来の姿ではない」と表明した。

原題:Biden Warns of Isolationism at War Cemetery Skipped by Trump (1)(抜粋)

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