バイデン氏、ノルマンディー上陸の激戦地で演説…国民に結束訴えトランプ氏との差別化図る

AI要約

バイデン大統領がノルマンディー上陸作戦激戦地で演説し、自由・民主主義の重要性を訴えた。

トランプ前大統領の孤立主義とバイデン氏の外交政策の違いが浮き彫りになっている。

バイデン氏は米国の偉大さを強調し、共に行動する必要性を訴えた。

 【パリ=池田慶太】米国のバイデン大統領は7日、第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦で激戦地となったフランス北西部のオック岬で国民向けに演説した。ナチス・ドイツの侵略と現代の独裁者の脅威を重ね合わせ、米国が先頭に立って自由・民主主義を守る必要性を訴えた。

 11月の大統領選で再対決が見込まれるトランプ前大統領は孤立主義的主張を強めている。バイデン氏には、外交政策で違いを浮き彫りにする狙いがある。

 オック岬では80年前、米軍部隊が断崖をよじ登ってドイツ軍を撃退した際、崖上から激しい砲火を浴び、部隊225人の半数以上が命を落とした。バイデン氏は命をささげた米兵らを称賛し、「彼らは自由、民主主義を守り、外国や国内の侵略に対して立ち上がるよう我々に求めている。失望させないと誓う必要がある」と国民に呼びかけた。

 「プーチン(露大統領)の(ウクライナ)侵略に対して米国が立ち上がることを誰が疑っただろうか」と述べ、第2次大戦を勝利に導いた「米国の偉大さ」は「過去のものではない」とも強調した。

 米国では北大西洋条約機構(NATO)を軽視し、ウクライナ支援予算を国内に振り向けるよう求める声がトランプ氏の支持者を中心に広がっている。バイデン氏は「共に行動する時、我々米国の能力に勝るものはない」と語り、内向き志向を改めて否定した。

 冷戦中の1984年、当時のレーガン大統領もオック岬で演説し、民主主義は「命を懸けて守る価値がある」と訴えた。孤立主義化を否定した演説は高く評価されており、バイデン氏はレーガン氏にならって国民に結束を呼びかけた形だ。