サマーズ氏、米長期国債利回りは長く高め推移へ-中立金利は約4.5%

AI要約

サマーズ氏は米長期国債利回りが長期間高水準を維持する見通しを示し、10年債利回りは約4.3%に上昇している。

また、サマーズ氏はインフレ率が2%目標に達しない状況と、中立金利を4.5%前後に調整する必要があると述べた。

ハバード氏は景気減速につながるインフレ抑制策を受けても大きなリセッションは予測されておらず、比較的ソフトな景気後退を予測している。

(ブルームバーグ): サマーズ元米財務長官は4日、米長期国債利回りについて、高めの水準が長期間続くとの見通しを示した。

サマーズ氏はエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークでのウェビナーで、「市場は予見可能な将来について足元の金利レンジと、恐らく現在のレベルを上回る長期金利に慣れるべきだ」と語った。米10年債利回りは現在約4.3%。

現在ハーバード大学教授でブルームバーグテレビジョンに定期的に出演するサマーズ氏は、インフレ率が米金融当局の2%目標に向かうと「納得できる軌道」にはないと述べた。

またこれまでと同様に、経済成長を促進も抑制もしない中立金利を4.5%前後とする見方をあらためて示した。これは金融当局者の予想中央値(2.6%)を大きく上回る水準。「中立金利の合理的な最良の推計を4.5%に調整する必要がある」とし、「これは現在予想されているよりも米利下げが少ないことを恐らく意味する」と語った。

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サマーズ氏とともにウェビナーに参加したグレン・ハバード元大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は自身もサマーズ氏の見解とほぼ一致していると述べた上で、「現在のインフレ率は2%の当局目標を大きく上回った状態が続いている」と指摘した。

現在コロンビア大学経営大学院教授のハバード氏は、インフレ抑制に向けた当局の取り組みを受けて景気は減速するとみているが、「極めて大きなリセッション(景気後退)」は想定していないとし、「比較的ソフトなランディングを予測している」と述べた。

原題:Summers Sees Higher US Long-Term Treasury Yields Over Time(抜粋)

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