なんと“2階建て”バージョンも登場! 近年、飛行機の「座席」が進化し続ける根本理由
最新の飛行機座席のトレンドと乗客体験に与える影響について探る。
2階建て座席やJALのファーストクラスの革新的な座席設備に注目。
飛行機座席が快適性とプライバシーの提供に注力し、その進化を象徴。
空の旅は今や単なる移動手段ではなく、快適さとプライバシーが求められる「移動する空間」へと変貌を遂げている。特に座席の進化はこの変化を象徴しており、航空会社のサービス戦略と密接に結びついている。
J.D.パワーの2023年航空会社顧客満足度調査によると、
「フライトクルー(客室乗務員など)」
が顧客満足度に与える影響は27%と最も大きく、次いで
「機内設備・機内サービス」
が22%となっている。飛行機では比較的長い時間を座席で過ごすため、快適な移動空間を実現するためには座席の座り心地が欠かせないといえる。
本稿では、最新の飛行機の座席のトレンドと、それらが乗客の体験をどのように変えつつあるのかを探る。
飛行機の座席は近年、形も機能も革新的な進歩を遂げている。その最たる例が、エアクラフト・インテリア・エキスポ(AIX)で発表された2階建て座席だろう。
この座席は、24歳のスペイン人起業家アレハンドロ・ヌニェス・ビセンテが提案し、スポンサーからの資金援助とアドバイスを受けて開発された。階段3段で上がる2階席は幅101cmで、ふたり、キャリーケース2個、バックパック2個を収容できる。
一方、1階席は幅が61cmと2階席より狭いが、ベッドは長さ225cmとゆったりしており、32インチのモニターが設置され、ホテルの一室に滞在しているような雰囲気を醸し出している。
また、日本航空(JAL)の新型機では、ファーストクラスに43インチの個人用モニターが装備されている。これは業界最大級のモニターであり、4Kにも対応しているため、リビングルームのような贅沢な空間となっている。
また、ヘッドレストにはスピーカーが内蔵されており、ストレスなく映画や音楽を楽しめる。これらの設備により、JALのファーストクラスはまさに「移動する空間」であり、高いプライバシーと快適性を提供している。
これは、飛行機の座席がかつてのイメージから脱却し、より快適で上質なものを提供しようと努力していることを示唆している。