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大阪ミナミが開発ラッシュ! 2031年「なにわ筋線」開業控え、何が開発をそこまで急がせるのか?
大阪ミナミで大型開発が続く背景には、訪日外国人観光客の復活がある。
訪日客の急増により、ミナミの黒門市場や心斎橋筋商店街などで活況が続いており、新しい店舗も次々に登場している。
大阪には2023年に約980万人の訪日客が押し寄せ、コロナ禍前の観光客数に85%まで回復している。中国本土からの訪日客は減少しているが、韓国や台湾などからの訪日客が増え、消費額も上回っている。
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大阪ミナミの繁華街で大型開発が続いている。2031年のなにわ筋線開業に備えた動きだが、街は訪日外国人観光客の復活で活況が続く。何が開発を急がせているのだろうか。「なにわの台所」と呼ばれるミナミの黒門市場(大阪市中央区日本橋)。5月下旬の休日、150店ほどが営業する約580mのアーケード街は、訪日客でごった返した。産地直送の海の幸、神戸牛ステーキの前には黒山の人だかり。訪日客らは浪速の味を満喫し、笑顔を見せていた。
黒門市場はコロナ禍で休業、閉店する店が相次いだが、訪日客復活で新しい店が次々に登場している。魚介類を扱う店で話を聞くと、
「韓国や台湾、東南アジアの人が急増している。円安からか、値の張るものがよく売れる」
と教えてくれた。訪日客の復活は心斎橋筋商店街(中央区心斎橋筋)も同じ。閉店ラッシュが続いていたドラッグストアが相次いで復活している。戎橋近くの店ではヒジャブを被った東南アジアの女性グループが熱心に化粧品を品定めしていた。
観光庁によると、大阪府には2023年に約980万人の訪日客が押し寄せ、コロナ禍前の2019年に比べて85%まで回復した。中国本土からの訪日客は2019年の3割弱だが、韓国、台湾などから訪日客が殺到し、消費額はコロナ禍前を上回っている。
その傾向は2024年も変わらない。南海電鉄難波駅ビル(中央区難波)に入る高島屋大阪店は、春の連休中の売上高が前年比約40%増になった。南海関西空港駅(大阪府田尻町)の乗降客数は約20%、JR西日本の関西空港線輸送人員は約35%増えている。
大阪観光局は
「訪日客の約6割を占めてきた中国本土からの観光客が戻らないなか、それ以外の地域はコロナ禍前を上回っている。円安効果で欧米系の訪日客も増えてきた」
と分析する。こうしたなか、ミナミでは大型開発が目につくようになってきた。
南海難波駅に隣接する商業施設「なんばパークス」南側では、ホテルと店舗、オフィスの複合施設となる「なんばパークスサウス」(浪速区難波中)が2023年7月、グランドオープンした。515室を持つタイの高級ホテル「センタラグランドホテル大阪」を核に多くの訪日客を集めている。
南海難波駅北側には2023年11月、約6000平方メートルの広さを持つ「なんば広場」(中央区難波)が、大阪市などによってオープンした。タクシー乗り場や車道があった場所で、椅子とテーブルが置かれ、市民や訪日客が思い思いの時間を過ごしている。
駅前広場からなんさん通りを入ってすぐの難波センタービル(中央区難波千日前)周辺でも再開発の動きがある。
・関電不動産開発
・南海電鉄
・大阪メトロ
が関西空港への好アクセスを生かし、訪日客の受け皿となる施設整備を検討している。関電不動産開発は
「内容を公表できる段階でない」
としているが、難波センタービルは全テナントが退去済み。周辺を含めた約1haは4月、「難波千日前地区」として大阪市から都市計画の地区計画決定を受けている。
千日前通沿いでは、地下約50mになにわ筋線の南海新難波駅(仮称、浪速区難波中)が整備される。今はなにわ筋線開業に向け、準備工事が進んでいる段階だ。
ミナミは土地の所有が複雑なため、開発が進まなかったが、訪日客がミナミの景気を支えている状況から、大規模開発に同意する地権者が増えてきたという。大阪市の交通網を一変させる可能性を持つなにわ筋線の整備も影響している。