ハンガリー首相、仏伊の極右指導者に欧州議会選後の勢力集結を要求

AI要約

ハンガリーのオルバン首相は、フランスの保守系週刊誌に掲載されたインタビューで、イタリアのメローニ首相とフランス国民連合のルペン氏に協力を呼びかけた。

欧州議会での極右政党の台頭が予想される中、オルバン首相は、ナショナリスト系政党の連携による勢力拡大の重要性を指摘した。

しかし、ウクライナ戦争やロシアとの関係などで指導者間に意見の相違があるため、単一の強力な極右会派の形成は困難とされている。

ハンガリー首相、仏伊の極右指導者に欧州議会選後の勢力集結を要求

[パリ 29日 ロイター] - ハンガリーのオルバン首相は29日発売されたフランスの保守系週刊誌ルポワンに掲載されたインタビューで、イタリアのメローニ首相とフランス国民連合(RN)を率いるマリーヌ・ルペン氏は6月の欧州議会選挙後に亀裂を解消して協調すべきとの見解を示し、両国の極右指導者に勢力の集結を求めた。

オルバン氏は「仮に彼女らが1つのグループもしくは会派として一緒に働けば、欧州の一大勢力となる。協力により魅力は非常に強まるだろう」と述べた。

世論調査では、欧州議会選ではナショナリスト系政党や欧州懐疑派政党が記録的な票数を獲得する見通し。有権者は主流政党を、高インフレから家計を守る措置や移民流入の抑制を怠ったとして処罰する格好となる。

だが複数の関係者はロイターに、欧州議会で単一の強力な極右会派が形成される可能性は極めて低いと話した。ウクライナ戦争への対応やロシアとの関係といった問題を巡って、メローニ氏やルペン氏ら指導者の間で考えが違うためだ。

オルバン氏は、同氏の右派政党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が欧州議会選挙後にメローニ氏の欧州保守改革(ECR)に合流する方針かとの質問に「そうだ。それを審議する予定だ」と答えた。

ただオルバン氏は、ルペン氏のRNなどで構成される欧州議会の会派「アイデンティティーと民主主義(ID)」がドイツの右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」議員の除籍を決めたため、「何もかも書き換えられる可能性がある」と語った。オルバン氏は、AfDが統一会派結成の障害になると考えている。