マクロン仏大統領が右翼ルペン氏に討論要求 欧州議会選で大敗の危機

AI要約

 フランスのマクロン大統領率いる与党が欧州議会選で右翼に大敗する可能性が高まっており、マクロン氏は相手のルペン前党首との公開討論を提案している。

 欧州議会選の結果は各国の内政には直接影響しないが、将来の選挙を占う重要な機会とされている。特に、今回の結果がルペン氏にとって大統領選に向けた足がかりになる可能性が指摘されている。

 マクロン氏は選挙に向けて不利な状況が続く中、ルペン氏との討論を通じて支持を回復し、勝利を目指しているとみられる。

マクロン仏大統領が右翼ルペン氏に討論要求 欧州議会選で大敗の危機

 6月6~9日に実施される欧州議会選で、フランスではマクロン仏大統領の率いる与党連合が、右翼「国民連合(RN)」に大敗する可能性が浮上している。情勢調査で劣勢が伝えられるなか、マクロン氏は25日、RNのルペン前党首に一騎打ちの討論を要求。異例の提案は、マクロン氏の焦りの表れともみられる。

 欧州連合(EU)の立法機能を担う欧州議会は定数720で、加盟国に配分された議席を国ごとの選挙で争う。フランスはドイツ(96議席)に次ぐ多い81議席が割り当てられ、国内の各政党が欧州議会選に向けた候補者を立てている。

 今回の選挙はEU全体で右翼や保守会派の躍進が予測され、中でもフランスでは右翼が勢いづいている。仏メディアの24日の調査によると、欧州議会で親EU中道会派「欧州刷新」の中核を担うマクロン氏の与党連合は16%前後の支持率で、右翼会派「アイデンティティーと民主主義(ID)」に所属するRNの約32%の半分にとどまる。

 欧州議会選の結果は各国の内政に直接影響しないが、次の主要な選挙を占う機会と位置づけられている。RNのルペン氏にとって今回の欧州議会選で勝利すれば、4度目の出馬が取りざたされる27年の大統領選に向けた足がかりになる。

 6月9日の投票日が近づいても情勢が好転しないなか、マクロン氏が突如提案したのが、ルペン氏との公開討論会だ。17年と22年の仏大統領選の決選投票では、マクロン氏がルペン氏との討論会の末に勝利をした。マクロン氏には、今回もルペン氏を言い負かし、形成を逆転する狙いがあるとみられる。