岸田首相がソウルへ出発 4年半ぶり日中韓首脳会談「大きな意義」

AI要約

岸田文雄首相が日中韓首脳会談に出席するため、ソウルへ向けて出発した。会談の重要性や目標を強調し、3カ国の協力を促す。

日中韓首脳会談は4年半ぶりで、岸田首相は再活性化を目指す。個別会談での議題や予定も明らかに。

首脳らは共同宣言を発表し、感染症対策や安全保障など幅広い分野での協力を強化する見通し。

岸田首相がソウルへ出発 4年半ぶり日中韓首脳会談「大きな意義」

 岸田文雄首相は26日、日中韓首脳会談に出席するため、韓国の首都ソウルへ向け政府専用機で羽田空港を出発した。首相は出発に先立って記者団に、「地域の平和や繁栄に責任を持つ3カ国首脳が一堂に会し、議論することは大きな意義がある」と強調。「胸襟を開いて率直に意見交換を行い、未来志向の実務協力で一致したい」と述べた。

 日中韓首脳会談は2019年12月に中国・成都で開催されて以来、約4年半ぶり。首相のほか、中国の李強首相、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が出席する。岸田首相は「サミットを成功させ、日中韓プロセスの再活性化につなげたい」と強調した。

 岸田首相は26日午後にソウルに到着後、尹氏、李氏とそれぞれ個別に会談する。

 李氏が23年3月に首相就任後、日中首相の正式な会談は初めて。岸田首相は中国が海洋進出を強める東シナ、南シナ海などの地域情勢を提起し、東京電力福島第1原発処理水を巡って、中国が続ける日本産水産物の輸入規制の撤廃も求める見通し。首相は「建設的かつ安定的な日中関係の方向性を確認し、大局的視点から会談したい」と語った。

 尹氏との会談は、23年11月に米サンフランシスコであったアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて実施して以来。25年に日韓国交正常化60年を迎えることを念頭に、首脳同士が相互に往来する「シャトル外交」の推進や、米国も含めた安全保障分野の協力強化などを協議する見通しだ。

 3カ国の首脳は26日に夕食会を実施。翌27日に日中韓首脳会談を行う。新型コロナウイルス禍を経た感染症など公衆衛生対策や、人的交流などの拡大について盛り込んだ共同宣言を発表する見通しだ。【森口沙織、池田直】