トランプ氏銃撃事件 大統領選挙への影響は…優勢になるほど新たな課題? デスク解説

AI要約

アメリカ・ペンシルベニア州でのトランプ前大統領への銃撃事件が、大統領選に大きな影響を及ぼす可能性があります。事件を機にトランプ氏の支持率が一時的に上昇すると考えられ、バイデン氏との競争激化が予想されます。

トランプ氏は事件対応で強さを見せ、気力と体力の面でも注目されています。これにより、一部有権者からの支持を集める可能性があります。

しかし、今後はトランプ氏が具体的な政策や発言で有権者の信頼を得ることが重要であり、バイデン氏との比較や検証が行われるでしょう。

トランプ氏銃撃事件 大統領選挙への影響は…優勢になるほど新たな課題? デスク解説

 アメリカ・ペンシルベニア州で発生したトランプ前大統領に対する銃撃事件は、今後の大統領選にどのような影響を与えるのでしょうか。テレビ朝日外報部の中丸徹デスクが解説します。

(Q. Real Clear Politicsによると、事件前に集計されたトランプ前大統領とバイデン大統領の支持率は、トランプ氏が47.1%、バイデン氏が44.4%と、トランプ氏が3ポイントほどリードしていました。今回の事件を受けて、この支持率が今後どうなると思いますか?)

中丸デスク

「今回は事件であると同時にやはり大きな出来事ですので、どうしても選挙戦には影響してきます。トランプ氏の支持者は団結を呼び掛けていますし、既に多くの人が『トランプ氏を支援する』という発言をしています」

「もう一つ、トランプ氏が事件の対応で見せたのは、目に見えた強さだったと思います。倒れたあとに、血を流しながら立ち上がって拳を突き上げた。やはりこれはトランプ氏の気力と体力が強いということを示しています。この気力と体力が、支持率という意味では短期的には間違いなく高まる方向に働くと思います」

(Q.バイデン氏が今、不安視されている体力面での強さを見せたことにもなりますね?)

中丸デスク

「はい。それはやはり対比されると思います」

(Q.このままトランプ氏の優勢が続くのでしょうか?)

中丸デスク

「ところが、そうとも言えないと思います。これから何が起きてくるかというと、バイデン氏が持っていたボールが今度はトランプ氏の方に移ると思います。これまでは『物価が高いのはバイデン氏のせいだ』、『移民が多いのはバイデン氏のせいだ』と現職の大統領に対する批判をする立場としてトランプ氏があったわけです」

「しかし、多くの人が『トランプ氏が優勢だね。勝ちそうだね』と認識してくると、『実際に本当に大統領になった時にどんな政策をするか』という検証がこれから4カ月間行われるでしょう。『経済はどうしますか』、『外交はどうしますか』、そして『移民問題にどういうふうに具体的なアプローチを出してくるんですか』。トランプ氏の答えに対して、メディアでもいろいろ検証してくるでしょう。これがどのような説得力を持つかによって情勢は変わってくるでしょう」

「例えば、既にトランプ氏は8年政治家をやっていまして、今回はだいぶ現実的な対応策をしているということで、『トランプ2.0』などと呼ばれています。例えば、かつてのように分断をあおるような発言をした場合、一部の有権者が『やっぱりトランプ氏では駄目だ』と、アンチトランプの受け皿としてのバイデン氏というのが再び浮上してくる可能性もあると思います」