台湾、頼清徳新総統が就任 中国と続く緊張、問われるかじ取り

AI要約

台湾の新しい総統である頼清徳氏が就任し、中国との緊張が続く中で、頼氏が米国との関係を保ちながらどう中国と対応するかが注目されている。

頼氏は民進党の総統として就任し、副総統には蕭美琴氏が任命された。頼氏は医師出身で、以前は台南市長や副総統を務めていた。

総統選や立法委員選挙の結果から、頼政権は「ねじれ国会」の状況に直面し、法案の成立が難しくなる可能性がある。

台湾、頼清徳新総統が就任 中国と続く緊張、問われるかじ取り

 台湾・台北で20日、総統就任式が行われ、民進党の頼清徳氏(64)が就任した。台湾は、民進党を独立を目指す勢力とみなす中国との緊張が続いている。頼氏は後ろ盾となる米国との良好な関係を維持しながら、統一を目指す中国とどう向き合っていくのかが問われる。

 頼氏は20日午前、台北中心部の総統府で宣誓を行い、総統の印章を受け取った。任期は2028年5月までの4年。民進党の総統は16年から2期務めた蔡英文氏(67)を含めて連続3期目となる。副総統には前駐米代表の蕭美琴(しょうびきん)氏(52)が就任した。

 医師出身の頼氏は立法委員(国会議員)や南部・台南市長を歴任し、蔡政権では行政院長(首相)やナンバー2の副総統を務めた。民進党の主席(党首)も兼ねる。1月の総統選では、中台関係の現状維持を掲げた蔡氏の路線継承を訴えて、中国に融和的な最大野党・国民党の候補らを破って初当選した。

 総統選と同時に行われた立法委員選挙の結果、民進党は第1党の座を国民党に譲り、野党勢力が過半数を占める。「ねじれ国会」の影響で、頼政権が進める重要法案や予算案がスムーズに成立しない事態が予想される。【台北・林哲平】