22日にドイツ・ブランデンブルク州で議会選 極右政党が躍進か ショルツ政権正念場

AI要約

ブランデンブルク州で行われる議会選挙で、極右政党AfDが急成長し、社会民主党SPDを抑えて第1党の座を狙っている。

移民問題や難民政策への懸念でAfDの支持が拡大しており、欧州全体で極右勢力の伸長が見られる。

ブランデンブルク州議会選での結果が、ドイツの政治や欧州全体の情勢に影響を及ぼす可能性がある。

ドイツ東部ブランデンブルク州で22日、議会選が行われる。移民排斥を唱える極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が、中道左派で国政与党の「社会民主党(SPD)」を抑えて第1党に躍進する勢いだ。1日の東部テューリンゲン州議会選で、AfDはSPDなどを破り初めて第1党となった。ブランデンブルク州議会選でもSPDが敗北すれば、ショルツ首相は来年9月の連邦議会選に向けて厳しい政権運営を迫られることになる。

ブランデンブルク州は首都ベルリンの周囲に広がり、1990年のドイツ統一後はSPDが州議会選で勝利してきた。しかも州都ポツダムはショルツ氏の連邦議会選での選挙区だ。

しかし今月17日公表の世論調査によると、SPDは支持率25%で、トップに立ったAfD(28%)の後塵(こうじん)を拝している。

難民政策の厳格化や不法移民の強制送還などを主張するAfDが支持を拡大する背景には、ドイツ国内で移民問題への懸念が高まっている事情がある。

独西部ゾーリンゲンで8月、民間人が犠牲となる殺傷事件が発生した。独警察は、事件後に出頭し容疑を認めたシリア人の男を拘束した。この男は2022年12月にドイツに来て難民申請し、滞在が認められていた。事件を巡り、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出している。

欧州では、6月の欧州連合(EU)欧州議会選で極右・右派勢力が伸長した。同月末のフランス下院選第1回投票では、極右政党の国民連合が得票率で首位となった。

ドイツでもテューリンゲン州議会選に続き、ブランデンブルク州議会選でもAfDが伸長すれば、難民政策の厳格化を支持する傾向が欧州域内でさらに広がる可能性が高くなる。

またAfDは、ロシアに侵略されるウクライナへの武器供与や対露制裁にも反対の立場で、AfDが勝利すれば、EUのウクライナ支援に微妙な影響を及ぼすとの見方もある。

EUのフォンデアライエン欧州委員長は今月17日、ウクライナ支援強化に向けて欧州の武器や弾薬の生産能力を高めるため、防衛分野を担う欧州委員ポストを新設すると発表した。