【社説】「パッケージング革命」の流れに乗るには半導体生態系から生かさなくては=韓国

AI要約

韓国はメモリー半導体大国であるが、先端パッケージング技術での進展が見られず、世界シェアが低下している。

韓国の半導体素材・部品・装備業界は顧客ニーズに対応できず、政府支援や品質検証の改善が必要だ。

工場の立地規制や人材問題も解決すべき課題であり、関連法の早期改正や地方支援が求められている。

韓国はメモリー半導体大国だ。サムスン電子とSKハイニックスが世界1位と2位を走る。大規模データを学習してサービスを提供する生成型人工知能(AI)が登場し、データを保存してこれをグラフィック処理装置(GPU)のようなプロセッサに送るメモリー半導体の地位が高まったのも事実だ。だが最近AI半導体と高性能コンピューティングのカギに浮上しているパッケージングでは韓国の進展がない。パッケージングはロジック、メモリー、センサーなど多様な複数のチップを積層して性能を高める半導体後工程技術だが、いまは革新の最前線という評価を受けている。コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループが最近の報告書で「先端パッケージングで価値を創出する企業を中心に既存の半導体産業の構図が急激に変わるだろう」と分析するほどだ。世界のファウンドリー(半導体委託生産)市場の61%を占める台湾TSMCの核心競争力もこの先端パッケージング技術だ。

中央日報の報道によると、韓国のパッケージング競争力は懸念する水準だ。世界上位10社に韓国企業は1社もない。先端技術で押された韓国のパッケージング世界シェアは2021年の6%から昨年は4.3%に下がった。先端パッケージングは台湾と米国に押され、汎用半導体用伝統パッケージングはマレーシアと中国に追われている。中国の半導体見本市で中国のパッケージング企業の注目すべき成長を確認した韓国の素材・部品・装備企業代表が「10年以内にわれわれみんなだめになる」と嘆くほどだった。サムスン電子とSKハイニックスは先端パッケージング核心素材・装備の95%以上を海外に依存している。

先端パッケージングがうまくいくには半導体企業と素材・部品・装備企業が緊密に協力しなければならない。だが韓国の半導体素材・部品・装備業界は顧客が何を必要とするのかわからず、熱心に作っても検証すらまともにできない状況という。台湾のように中小半導体素材・部品・装備の新製品がTSMCやASEのような半導体製造・後工程大企業の工場で品質検証と信頼性テストを受けられるように、政府が補助金を支援する制度をベンチマーキングする必要がある。国産素材を生産過程に使った時に負うことがある損失を補填するように保険料を政府が提供する中国の事例も参考に値する。韓国のパッケージング素材・部品・装備企業がこうした「検証の崖」の前で挫折しないよう政府が対策をまとめなければならない。

工場の立地規制と人材問題も解決しなければならない。半導体工場がある京畿道(キョンギド)の華城(ファソン)、竜仁(ヨンイン)、平沢(ピョンテク)は首都圏規制に縛られており、これを避けて地方に行けば人材需給が問題となる。青年労働者が地方に行けるよう政府が必要なインフラを支援する必要がある。国会は半導体特別法とAI基本法、電力網法を早く通過させ、半導体業界全体の活力を育てなければならない。時間がない。