コスト上がるイメージセンサー直接作る…サムスンシステムLSI、ソニーを追撃

AI要約

サムスン電子システムLSI事業部がイメージセンサーの生産を直接担当する戦略を展開

イメージセンサー市場の成長と競争激化によるサムスンの動き

サムスンファウンドリーとの関係性の変化に伴う業界への影響

コスト上がるイメージセンサー直接作る…サムスンシステムLSI、ソニーを追撃

サムスン電子システムLSI事業部が独自開発したシステム半導体のうち、核心製品であるイメージセンサーを直接生産する。これまではサムスンファウンドリー(委託生産)に任せたが、委託過程をなくしてコスト競争力を高めるという戦略だ。CIS市場世界1位のソニーをさらに追撃するためだ。

電子業界によると、サムスン電子は今年初めに組織改編を通じてシステムLSI事業部内にセンサー事業チームを新設し、ファウンドリー事業部でしていたCMOSイメージセンサー(CIS)製造をセンサー事業チームに移管した。トップは副社長でもあるイ・ジェソク最高技術責任者(CTO)が務め、ファウンドリー事業部にいた製造人員200人の所属もこのチームに移った。

◇イメージセンサー、サムスンが直接生産

システムLSIはアプリケーションプロセッサ(AP)、CIS、ディスプレードライバーIC(DDI)、電力半導体(PMIC)など多様なシステム半導体設計を担当しており、この中でAPとカメラの目の役割をする半導体であるCISが主力だ。システムLSIで設計すればこれをサムスンファウンドリーが生産する方式で運営してきた。

電子業界関係者によると、今回の改編はファウンドリー生産時CISのコスト競争力が落ちるというシステムLSI内部診断に従ったものだ。一部の生産を台湾2位のファウンドリー企業であるUMCに任せてコスト節減を試みたが、もう少し果敢な変化が必要だという判断から内部の組織体系を改編することにしたのだ。既存のサムスンファウンドリーのラインをそのまま使うが、システムLSIが直接管理して委託過程を省略した。業界関係者は「ファウンドリーに委託すればイメージセンサー生産コストも他のAPや3・4ナノメートル(ナノは10億分の1)など最先端半導体とまとめて高くなったが、これを解消したもの」と話した。

◇成長する市場、1位のソニー追撃

イメージセンサーはスマートフォンだけでなく自動運転車、ドローン、医療機器など活用分野が増えており成長が期待される市場だ。モルドールインテリジェンスによると、今年228億5000万ドル規模であるこの市場は2029年には322億2000万ドルまで5年間に41%ほど成長すると予想される。この市場の1位はシェア45%のソニーで、19%で2位のサムスン電子はコスト競争力を高めて高画素センサー部門を強化するなどの戦略でソニーを追撃中だ。サムスン電子は最近システムLSIの下にCIS画質ラボも構築した。

サムスンシステムLSIの業績は着実に成長中だ。サムスン電子システムLSI事業部のクォン・ヒョンソク常務は4-6月期の業績カンファレンスコールで「システムLSIは4-6月期に主要部品の供給増加で業績が改善され、上半期には前年同期比で過去最大の売り上げを記録した」と明らかにした。一部ではサムスン電子が2026年からアップルのiPhoneにイメージセンサーを供給する可能性も提起されている。

これに対しサムスンファウンドリーの売り上げは多少打撃を受けることになった。エクシノスのような独自APとイメージセンサーなど内部生産量を含んで売り上げを集計しているためだ。トレンドフォースによるとサムスンファウンドリーは4-6月期に38億3300万ドルの売り上げを記録し、シェア11.5%で台湾TSMCの62.3%に次いで2位となり、3位である中国SMICとの格差は5.8ポイントを記録した。業界関係者は「総合半導体企業のサムスン電子としてはイメージセンサー市場を攻略するための戦略的決定だろう。サムスンファウンドリーは収益をより多く出せる事業に集中する努力が必要だろう」と話した。