1万ドル未満の中国製EVが疾走…フォルクスワーゲンがドイツ工場の閉鎖を検討(1)

AI要約

欧州最大の自動車メーカーであるフォルクスワーゲングループが中国製電気自動車の影響を受け、ドイツ国内の工場閉鎖と人員削減を検討中。

中国の電気自動車メーカーが欧州市場での競争力を高めつつあり、欧州自動車メーカーに影響を及ぼしている。

欧州連合は中国製電気自動車に関税を設定するものの、価格競争力で中国車が圧倒している状況が続いている。

1万ドル未満の中国製EVが疾走…フォルクスワーゲンがドイツ工場の閉鎖を検討(1)

中国製電気自動車の猛攻と一時的需要停滞により世界の自動車業界の地形が急変している。欧州最大の自動車メーカーであるドイツのフォルクスワーゲングループがドイツ国内の工場閉鎖と人員削減を推進中で、米ゼネラルモーターズ(GM)とフォード、韓国の現代(ヒョンデ)自動車グループなど主要自動車メーカーも電気自動車戦略を大幅に修正している。

◇フォルクスワーゲン発の衝撃拡散するか

ウォール・ストリート・ジャーナルやフィナンシャル・タイムズなど外信は2日、フォルクスワーゲングループがドイツ国内最小2カ所の工場の閉鎖を検討中と報道した。フォルクスワーゲングループのオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は労使協議会で「新たなライバルが欧州市場に進入している状況でドイツ国内に製造工場を維持することは企業の競争力をさらに引き下げる。単純なコスト削減だけでは解決できない状況で断固とした決断が必要だ」と説明した。

フォルクスワーゲングループCEOが言及した「新たなライバル」は中国の電気自動車メーカーだ。代表走者は昨年10-12月期にテスラを破って電気自動車世界1位に上がったBYDだ。

BYDは独走中だ。先月28日の業績発表で同社は上半期に売り上げ3011億3000万元(約6兆1480億円)を記録し昨年上半期より16%増加したと明らかにした。欧州を中心にしたBYDの海外販売も着実に増加している。先月まで累積26万4869台を記録し、昨年の年間販売台数24万2765台をすでに超えた。フォルクスワーゲンの工場閉鎖は中国製電気自動車の低価格攻勢に欧州の自動車メーカーが崩れつつあるという傍証だ。

中国の電気自動車に圧迫されているのはフォルクスワーゲンだけではない。欧州の自動車メーカー全般にとって中国はすでに大きな脅威になっている。BYD、NIO、Zeekr(ジーカー)など中国の電気自動車メーカーは競争力がある価格と技術力で欧州市場を素早く掌握した。市場調査会社トランスポートアンドインバランスによると、今年欧州で販売される電気自動車の約25%が中国から輸入されると予想される。世界的コンサルティング企業マッキンゼーは最近の報告書で、今年の欧州の自動車工場の稼動率は80%にとどまるだろうと予想する。自国市場を明け渡した欧州の自動車メーカーが工場稼動を減らしたりフォルクスワーゲンのように工場を閉鎖する場合、大規模構造調整により雇用問題も大きくなりかねない。

◇EUの関税突破する1万ドル未満の中国車

中国製電気自動車の攻勢を防ぐため欧州連合(EU)は関税引き上げカードを切り出した。先月20日に発表された関税草案によると、従来の10%の一般関税に追加で17~36.3%の関税が追加される予定だ。こうした措置にもかかわらず、中国製電気自動車に対する欧州の消費者の関心は冷めずにいる。価格競争力で中国製電気自動車が欧州車を依然として圧倒しているためだ。